1993 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学を利用した窒素酸化物処理の効率化と地球環境保護
Project/Area Number |
05454036
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯島 信司 名古屋大学, 工学部, 教授 (00168056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 克英 名古屋大学, 工学部, 助手 (90252254)
小林 猛 名古屋大学, 工学部, 教授 (10043324)
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Keywords | 地球環境 / 廃水処理 / 脱窒 / 窒素化合物 |
Research Abstract |
工業の発展に伴い深刻な環境汚染が人々の関心を集めており、近年では二酸化炭素や窒素酸化物による地球環境の破壊が大きな問題となっている。窒素酸化物の生態系における除去は、硝化および脱窒菌などの微生物による。これらの菌は廃水処理で利用されているが、元来生態系に広く分布しておらずまた増殖が良くないものも多いので、必ずしも窒素酸化物の除去が効率的に行なわれているわけではなく、研究も進んでいるとはいい難い。そこで本研究では、遺伝子工学を応用してこの生産的窒素酸化物処理を飛躍的に効率化することを第一の目的とする。 本年度の研究等より脱窒菌Paracoccus denitrificansの亜硝酸還元酵素遺伝子をクローン化し、その塩基配列を決定した。これより脱窒に関する遺伝子が、P.denitrificansのゲノム上で集合体(クラスター)を形成していることがわかった。そこでクローン化した亜硝酸還元酵素遺伝子の両側の幅広い領域の遺伝子をクローン化し、塩基配列を決定しつつある。これにより、他の脱窒に関する遺伝子をクローン化することが可能と考えられる。特に現在、脱窒反応で亜硝酸還元酵素の次に位置し、NOをN_2Oに還元するNO還元酵素遺伝子が存在すると思われる亜硝酸還元酵素下流域の約5kbのDNAフラグメントと、遺伝子発現調節領域が存在すると考えられる上流域2kbについて精力的にDNA構造解析を進めている。
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