1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454042
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
喜久田 嘉郎 北海道大学, 農学部, 教授 (90001445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 介延 北海道大学, 農学部, 助手 (80229020)
幸田 泰則 北海道大学, 農学部, 助教授 (20002355)
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Keywords | バレイショ / 塊茎形成 / cDNAライブラリー / 貯蔵蛋白質 / プロテアーゼインヒビター / 器官特異的発現 / ジャスモン酸 / 日夜温較差 |
Research Abstract |
バレイショ植物の培養および塊茎形成誘導を組織培養の手法を用いておこなった。塊茎の生重は誘導後2週間の間に急増し、可溶性蛋白質の電気泳動法による分析では、塊茎特異的蛋白質が40、24、23、22kDaに存在した。 無菌培養した塊茎のcDNAライブラリーをディファレンシャルスクリーニング法により選抜し、pT1cDNAクローンを得た。pT1の塊茎特異的発現が塊茎形成誘導後5日目から確認され、塊茎の肥大に伴い増加した。このcDNAは796塩基で、222残基のアミノ酸配列から成る24.7kDa蛋白質を完全にコードする領域を含み、アミノ酸配列はバレイショのKunitz型プロテアーゼインヒビター(PKPI)のN末端配列と一致した。PKPIcDNAをプローブとして検索した結果次の事柄を明らかにした。 PKPIは塊茎主要貯蔵蛋白質の10%を構成する。低温貯蔵塊茎は塊茎形成の誘導過程での生合成活性を維持している。さらに、塊茎形成過程の貯蔵蛋白質の蓄積は低温からの温度上昇時、つまり夜間から日中へかけての温度較差が大きい時に促進されると考えられる。PKPIとパタチンmRNA蓄積に及ぼす生長調節物質の影響を検討した。供試化合物中、塊茎切片にPKPI mRNAを誘導したのはジャスモン酸だけであった。 トランスジェニック タバコ植物でのPKPIプロモーターの発現は維管束組織に特異的で、葉身組織切片での発現はショ糖濃度に依存した。 本研究では、新たな塊茎指標蛋白質PKPIの遺伝子構造および発現特性を明らかにした。塊茎誘導に影響する低温、ジャスモン酸およびショ糖が、PKPI遺伝子の発現誘導に密接に関係する事実は、両者に共通に制御機構を示唆する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] ZJ Xu,K Fujino,Y Kikuta: "Regeneration via somatic embryogenesis and/or organogenesis in callus from mature seeds of Echinochloa oryzicola Vasing" Japanese Journal of Crop Science. 62. 614-620 (1993)
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[Publications] K Yamagishi,C Mitsumori,K Takahashi,K Fujino,Y Koda,Y Kikuta: "Jasmonic acid inducible gene expression of a Kunitz type proteinase inhibitor in potato tuber disks" Plant Molecular Biology. 21. 539-541 (1993)
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[Publications] A Ichihara,Y Kikuta,Y Koda,H Matsuura,T Yoshihara: "Tuber forming substances in Jerusalem artichoke (Helianthus tuberosus L)" Bioscience Biotechnology and Biochemistry. 57. 1253-1256 (1993)
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[Publications] Y Koda,K Takahashi,Y Kikuta: "Potato tuber inducing activities of salicylic acid and related compounds" Journal of Plant Growth Regulation. 11. 215-219 (1992)