1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454046
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
遠山 益 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (20017213)
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Keywords | 葉緑体 / ラメラ系 / 緑化 / 脱緑化 / プロプラスチド / プラスト顆粒 / 脱タンパク質 |
Research Abstract |
1PPm 2・4-D,0.1PPmカイネチンを含む継代培地で,25℃暗所培養をしたカルスを,1PPmNAA・1PPmカイネチンを含む再分化培地に移し,15w・m^<-2>の光を与えると,緑化を始め,5カ月で完全に緑化する.カイネチンを除いた培地に移し,暗所におくと,緑化カルスは脱緑化し,=黄色になる.カルスの緑化および脱緑化の過程の物質変動の解析と,葉緑体の構造変化を電子顕微鏡で追跡した. 暗所培養のコントロールでは色素体内にラメラ系はみられず,直径1μmの典型的なプロプラスチドであった.明所で1週間培養すると,初生ラメラの形成が始まり,2週間で2-3=,2カ月で数=以上のグラナラメラの形成がみられ,5カ月で成熟葉緑体が完成した.カイネチンを除いて暗所培養をすると,葉緑体の脱分化が始まり,1週間でラメラ系の膨潤が起こり,プラスト顆粒が出現する.3週間でグラナラメラを含むラメラ系の崩壊が観察された.1カ月で色素体内には僅かなラメラ系を残すのみとなり,プラスト顆粒は増加を続けた.この段階までは,葉緑体の脱分化は退化過程と類似の過程を経るようにみえる.2カ月では多くの色素体はプラスト顆粒も消失し,プロプラスチドの状態にもどる. 他方電気泳動による解析では,脱緑化過程の1-2週間で,可溶性分画に出現する52KDのタンパク質が,1カ月後には完全に消失した.色素体の脱緑化過程では,色素量の変化,膜タンパク質の変化,ラメラ膜の崩壊などの時期からみて,脱分化の初期が最も注目すべき段階であると考えられる.
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[Publications] N. Nishikawa, S. Toyama: "The uptake and transport of ^<14>C-labeled epibrassinolide in intact seedling." J. Plant Res.107. 125-130 (1994)
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[Publications] S. Toyama of R. Kitagawa: "Localization of ^<14>C-epibrassinolide in epicatyls of cucum^ber." Jpn.J.Crop.Sci.63(別2). 213-214 (1994)
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[Publications] T. Ikeda and M. Fujita, S. Toyama: "Fine structural analysis on interconversion of plastids in culLus cultures." Jpn.J.Crop.Sci.63(別2). 261-262 (1994)