1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454065
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
一田 昌利 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (40223101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古澤 壽治 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (70127166)
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Keywords | 絹糸虫類 / ヤママユガ / 安定飼育 / 人工飼料育 / 無菌平板給餌 / 低コスト人工飼料 / 発蛾同調化 |
Research Abstract |
1.ヤママユガ卵の温度適応能を解明するため,卵内の遊離糖の変動と過冷却点について研究した結果,産下6日目から卵内のトレハロース量が急激に増加し,過冷却点も-17℃から-19.5℃へと若干低下することが明らかとなった。 2.市販の天蚕用人工飼料を用いてヤママユガ幼虫を無菌平板給餌方式で飼育した結果,1〜3齢期間(17〜20日間)は全く飼料交換を行わなくとも飼育が可能となった。4齢期間(11〜13日間)も1回の給餌で飼育可能となり,5齢期間は2〜3日に1回の割合でブロック状飼料を給与することで全齢人工飼料育が可能であることを明らかにした。 3.蚕用人工飼料組成の桑粉末を樫粉末で置き換えた場合はヤママユガ幼虫は摂食が極めて悪く,ほとんど発育しなかった。一方,櫟紛末を用いた場合は,幼虫の発育が良好で,今までの天蚕用人工飼料の1/10程度の飼料コストで飼育できた。このことから,多くの絹糸虫類の低コスト人工飼料育が可能となる。 4.蛹期間の日長条件を短日条件(8時間〜12時間明・16時間〜12時間暗)とすることで蛹期間が10日以上短縮され,発蛾時期の同調化が図られた。一方,長日条件(12時間以上明)では,蛹期間の短縮および同調化は図られなかった。
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