1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454065
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
一田 昌利 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (40223101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古澤 壽治 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (70127166)
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Keywords | 絹糸虫類 / ヤママユガ / 安定飼育 / 人工飼料育 / 無菌平板給餌 / 低コスト人工飼料 |
Research Abstract |
1.絹糸虫類の無菌人工飼料育法の検討を行った。これまでヤママユガ人工飼料では不脱皮幼虫の発生が大きな問題となっていた。蚕の人工飼料を基本とし、一部を改変した絹糸虫類陽の人工飼料においても1眠あるいは2眠後の不脱皮幼虫発生が認められた。しかし、この飼料にグルコースあるいはシュークロースを添加することによって3齢到達率が飛躍的に増加した。グルコースあるいはシュークロース添加が不脱皮幼虫発生率の減少に関与する機構については明らかではないが、絹糸虫類の無菌人工飼料における最大のネックとなっていた不脱皮幼虫発生防止策が発見された意義は大きい。 また、7〜10日目に人工飼料を交換することでさらに3齢到達率が向上し、無菌人工飼料育法の導入が可能であると考えられた。 2.市販の天蚕用人工飼料は粉体価格が4,500円/kg程度で販売されているが、蚕の人工飼料を基本とし、一部を改変した絹糸虫類用の人工飼料は2,500円/kg以下で製造可能である。さらに、造型物質の転換で1,500円/kg以下に製造単価を引き下げることが可能となり、無菌人工飼料育法の導入と併せて飼育コストも大幅に引き下げられた。 3.ハンドペアリングについて検討を行ったが、技術確立までには至らなかった。 4.前年採集した卵を2.5℃で保護し、随時出庫し孵化率を調査した結果、6月までは高率で孵化したが、その後急激に孵化率が低下した。しかし、11月になっても少数ではあるが孵化する幼虫が存在した。このことは、系統選抜によって卵の長期保存の可能性を示唆した結果と考えている。
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