1993 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部エストロジェン受容機構の雌・雄差決定遺伝子の探索
Project/Area Number |
05454117
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 真杉 東京大学, 農学部, 助教授 (90145673)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 邦郎 東京大学, 農学部, 助教授 (80196352)
|
Keywords | 視床下部 / エストロジェン / 性分化 / 性腺刺激ホルモン放出ホルモン / 黄体形成ホルモン / 多ニューロン発射活動 / DNAサブトラクション / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本研究においては、ラットを用いて電気生理学的手法によりエストロジェン受容脳領域を特定し、そのような脳領域において新生期あるいは排卵期にエストロジェンにより特異的に転写活性の高まる遺伝子をサブトラクティブcDNAクローニング法により検出することにより、エストロジェン受容体ニューロンの分化、あるいはGnRHニューロンの興奮性の制御に関わる遺伝子及び遺伝子産物を同定することを目的としている。 電気生理学的手法を用いて、雌性ラットにおいてエストロジェンによりゴナドトロピンのサージ状分泌が誘起される時刻に神経活動の記録を行なったところ、視索前野領域において神経活動の変化が記録でき、従来の脳内局所破壊実験の結果と合わせて、この脳領域がエストロジェン受容機構として特に重要であることが特定された。このような脳領域を、新生期の雄性ラット、雌性ラット、アンドロジェンを投与した雌性ラット、および成熟した卵巣摘除雌性ラット、エストロジェンを投与してゴナドトロピンのサージを誘起した卵巣摘除雌性ラットよりそれぞれ摘出してmRNAの抽出を行ない、cDNAライブラリーを作製した。これらのcDNAライブラリーを利用してサブトラクション法を実施し、成熟ラットより得られたサンプルからは85のクローンが得られた。 現在、これらのクローンについてノーザン.ブロット方により選別を行なっており、次年度以降発現量にとくに差のあるクローンについて塩基配列の決定を行なうとともに、新生期のラットからのサンプルについて解析を進めていく予定である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] K.T.O'Byne,M.Nishihara 他: "Ovarian Control of Gonadotropin Hormone-Releasing Hormone Pulse Generator Activity in the Rhesus Monkey:Duration of the Associated Hypothalamic Signal." Neuroendocrinology. 57. 588-592 (1993)
-
[Publications] K.Narita,T.Yokawa,M.Nishihara,M.Takahashi: "Interaction between Excitatory and Inhibitory Amino Acids in the Ventromedial Nucleus of the Hypothalamus in Inducing Hyper-Running." Brain Research. 603. 243-247 (1993)
-
[Publications] R-Z.Lu,S.Matsuyama,M.Nishihara,M.Takahashi: "Developmental Expression of Activin/Inhibin βA,βB and α Subunits,and Activin receptor-IIB Genes in Preimplantation Mouse Embryos." Biology of Reproduction. 49. 1163-1169 (1993)
-
[Publications] M.Nishihara,Y.Mori,M-J Yoo,M.Takahashi: "In vivo Electrophysiological Monitoring of the GnRH Pulse Generator in Rats and Goats." Methods in Neuroscience. 20. 114-126 (1994)
-
[Publications] M.Nishihara,A.Sano,F.Kimura: "Cessation of the Electrical Activity of Gonadotropin-Releasing Hormone Pulse Generator during the Steroid-Induced Surge of Luteinizing Hormone in the Rat." Neuroendocrinology. 58(in press). (1994)
-
[Publications] K.Narita,M.Nishihara,M.Takahashi: "Concomitant Regulation of Running Activity and Metabolic Change by the Ventromedial Nucleus of the Hypothalamus." Brain Research. (in press). (1994)