1993 Fiscal Year Annual Research Report
鳥類の性分化統御に関する分子遺伝学的ならびに発生遺伝学的研究
Project/Area Number |
05454118
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
富田 武 名古屋大学, 農学部, 教授 (70023421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 高宏 名古屋大学, 農学部, 助手 (50242847)
並河 鷹夫 名古屋大学, 農学部, 助教授 (70111838)
島田 清司 名古屋大学, 農学部, 教授 (40065579)
若杉 昇 名古屋大学, 農学部, 教授 (00023490)
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Keywords | 性分化 / 性染色体 / 生殖腺移植 / 分子遺伝学 / 発生遺伝学 |
Research Abstract |
本研究では鳥類の性分化を統御している遺伝的因子について明らかにするため、(1)ヒトやマウスで報告されているY染色体上の雄方向に性分化を誘導する遺伝子と同じような遺伝子(鳥類では雌方向に分化させる遺伝子)が、W染色体上にあるかどうかを分子遺伝学的に検索する。(2)人為的性転換を施した動物を用いて性転換を誘導する因子が発生段階のどの時期に作用するかを検索し、遺伝的性が生殖腺をその本来の性に分化することを決定づけるステージを検討する。同時に雌において片側生殖腺のみ発達するメカニズムについても発生遺伝学的に検索する。 (1)の目的のために鳥類の中で世代交代の速いウズラを用い、ゲノムDNAを各種制限酵素で切断しM13ファージ及びニワトリW染色体特異的反復配列DNAをプローブとしてハイブリダイゼーションを行ったが、雌特異的DNA断片は未だ検出されていない。ウズラW染色体ゲノム構成はニワトリとかなり異なっていると考えられた。 (2)の目的のために、通常では未分化のまま退化する雌ニワトリの右生殖腺を1〜2週齢で取り出して同週齢の雄の精巣中に移植を行い1週から3ヵ月で解剖してその様子を観察したところ、移植組織の発達はほとんど認められず移植片は3ヵ月で排除されることが示された。移植実験については発生段階の一時期だけ行ったもので移植組織の同定も十分検討していないので、生殖腺の移植の可否については評価できないが、非近交系では孵化後の移植は免疫的に拒絶されることが明らかとなった。今後の展開として、近交系や両側生殖腺の発達する系統を用いて移植実験等を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yamamoto,N.: "Detection of γ-ray irradiated donor sperm DNA in the transgenic chicken embryo by DNA fingerprint analysis" Jpn.Poul.Sci.30. 114-122 (1993)
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[Publications] Ando,Y.: "Resolution of high molecular DNAs in W Chromosome of the domestic fowl by pulsed field gel electrophoresis" Jpn.Poul.Sci.30. 403-412 (1993)
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[Publications] Ohkubo,T.: "High-level expression of biologically active chicken prolactin in E.coli" Comp.Biochem.Physiol.105A. 123-128 (1993)
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[Publications] Shimada,K.: "Avian Endocrinology" J.Endocrinol.Ltd., 408 (1993)