1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454136
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Research Institution | KYUSYU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
柴田 洋三郎 九州大学, 医学部, 教授 (90037482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲井 哲一朗 九州大学, 医学部, 助手 (00264044)
倉岡 晃夫 九州大学, 医学部, 助手 (30253412)
飯田 弘 九州大学, 医学部, 講師 (70150399)
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Keywords | ギャップ結合 / 細胞間結合 / コネキシン / 免疫標識 / 筋上皮細胞 / ハーダー腺 / 乳腺 / 蛋白リン酸化 |
Research Abstract |
ギャップ結合の構成分子コネキシン(Cx)には、一群のCx蛋白ファミリーが存在する。本研究ではギャップ結合蛋白ファミリーの各種細胞での発現様態を調べるために、特異的な抗体を作成してその分布局在を明かにし、細胞間連絡構造の機能を微細構築の面から解析した。 ◎方法:cDNAより得られたアミノ酸配列から、各々に特異的なペプチド配列にたいするウサギ抗血清を作成し、ラットの心臓・卵巣・唾液腺・乳腺・ハーダー腺・水晶体・歯エナメル芽細胞などを凍結切片の免疫蛍光染色と免疫ブロット、さらにRNAブロットなどによって発現を解析した。 ◎結果:エナメル芽細胞の各分化段階に分化期では、Cx43が側面膜に点状の反応を示し、形成期では核上部に集積し、成熟期では、強い発現を呈するようになり、細胞間連絡の完成により一つの機能単位として、安定化されると考えられた。一方脂質分泌腺であるハーダー腺の腺房間にはラット唾液腺とは異なり、Cx32は発現されず、Cx26のみであった。また、筋上皮間細胞間には、Cx43が分布し分泌物の産生と収縮による排出という二つの異なる細胞機能集団では別種のギャップ結合蛋白が発現し、おそらく個別の独立した群を構成していると考えられた。 さらに妊娠・出産・授乳・離乳に伴って、大変動をおこす乳腺では、Cx26、CX32、CX43のそれぞれが、RNA転写レベル・蛋白質発現レベル・さらにリン酸化状態について個別に特徴的な調節をうけていることも判明して、細胞機能状態と連関した分子構築をとることが示唆された。 今回の研究結果から、細胞間交流を担うギャップ結合の構成蛋白は、多様な発現を呈し、組織の種類と活動状態に応じて、細胞機能の調節に密接に関連することが示され、今後さらにこの調節機構の分子レベルでの解明を進めていきたい。
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[Publications] Kuraoka,A: "Immunocytochemical studies of major gap junction proteins in the salivary glands of the rat." Europ.Arch.Otorhinolaryngol.251. 595-599 (1994)
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[Publications] Kuraoka,A: "characterization of isolatedguinea pig liver gap junction." Prog.Cell.Res.4. 111-114 (1994)
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[Publications] Shibata,Y: "Gapjunction formation and regulation in cultured adult rat and guinea pig cardiac muscle cells." Prog・Cell Res.4. 151-154 (1994)
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[Publications] Hatae,T: "Cytoplasmic surface ultrastructures of gap junctions. in bovine lens fibers." Investigative Ophthalmology and Visual Science.34(7). 2164-2173 (1993)
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[Publications] Kuraoka,A: "Localizations of gap junction proteins,connexins.32 and 26,in the rat and guinea,pig hvers as revealed by quick-freeze,deep-etch immunoelectron microscopy" J,Histochem,Cytochem.41. 971-980 (1993)
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[Publications] Hatae,T: "Immunocytochemistry ot types I-IV collagen in human anterior subcapsular cotaracts." Graefe's Arch.Clin.Exp-Ophthalmol.231. 586-590 (1993)