1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454156
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
橘 正道 千葉大学, 医学部, 教授 (50009081)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 智子 千葉大学, 医学部, 教務職員 (20143307)
石塚 俊治 千葉大学, 医学部, 助手 (50232294)
石嶌 純男 千葉大学, 医学部, 助手 (70184520)
鈴木 信夫 千葉大学, 医学部, 助教授 (90111426)
|
Keywords | ホスホリボシルピロリン酸合成酵素 / 核酸前駆体合成 / 結合タンパク質 / 活性制御タンパク質 / ラット肝臓酵素 / 複合体 |
Research Abstract |
核酸前駆体、ヌクレオチド合成の重要な調節因子の一つはホスホリボシルピロリン酸(PRPP)の細胞内濃度である。本研究ではPRPP合成酵素触媒サブユニットに結合し、活性を抑制していると考えられるタンパク質(39kDa)の構造と性質を解析し、以下の成果を得た。1.39kDaタンパク質の組織分布39kDaタンパク質mRNAレベルはラット各組織によって異なり、触媒サブユニットPRSImRNAに対する相対量も違っていた。そこで、抗体を用いたウェスタン解析により、39kDaタンパク質の組織分布を調べたところ、脳や精巣では肝臓に比べ39kDaタンパク含量が少なかった。しかし、抗体カラムを用いて脳酵素を精製すると、39kDaタンパク質の触媒サブユニットに対する量比は肝酵素のそれとほぼ同じであった。脳では39kDaタンパク質が何かの修飾を受け、抗体と反応しにくい可能性がある。従って、脳酵素は、サブユニットの組成は肝酵素と大きな差はなく、おそらく修飾などによりサブユニットの質が変わることで異なった複合体構造をとっていると考えられる。2.肝臓酵素の調節的性質に及ぼす39kDaタンパク質の効果 肝臓の本酵素は2種の触媒サブユニットPRSI、IIの他に39,41kDa結合タンパク質を含むヘテロ重合体として存在している。PRSIは、ヌクレチオド(ADP,GDP)によってPRSIIよりもはるかに強く阻害される。ところが、肝酵素の複合体はPRSIとIIが4:1と、Iを多く含むにもかかわらず阻害の程度は弱かった。さらに、PRSIとIIのみを4:1の比で含む複合体を再構成し、阻害を肝酵素と比較すると、肝酵素のほうがはるかに弱かった。以上より、結合タンパク質、特に39kDaタンパク質は触媒サブユニットの酵素活性を抑制するだけではなく、そのヌクレオチドに対する感受性をいちじるしく抑えることが示唆された。
|
-
[Publications] Tatibana,M.,Kita,K.,Taira,M.,Ishijima,S.,Sonoda,T.,Ishizuka,T.,Iizasa,T.,and Ahmad,I.: "Mammalian phosphoribosylpyrophosphate synthetase." Advances in Enzyme Regulation. 35. 229-249 (1995)
-
[Publications] Ishizuka,T.,Kita,K.,Sonoda,T.,Ishijima,S.,Sawa,K.,Suzuki,N.,and Tatibana,M.: "Cloning and sequencing of human complementary DNA for the phosphoribosylpyrophosphate synthetase-associated protein 39." Biochim.Biophys.Acta. (印刷中). (1996)
-
[Publications] Ishizuka,T.,Ahmad,I.,Kita,K.,Sonoda,T.,Ishijima,S.,Sawa,K.,Suzuki,N.,and Tatibana,M.: "The human phosphoribosylpyrophosphate synthetase-associated protein 39 gene(PRPSAP1)is located in the chromosome region 17q24-q25." Genomics. (印刷中). (1996)