1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454163
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
永井 克孝 (財)東京都臨床医学総合研究所, 所長 (80072974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶山 泰生 (財)東京都臨床医学総合研究所, 生命情報, 研究員 (70250214)
笠原 浩二 (財)東京都臨床医学総合研究所, 生命情報, 研究員 (60250213)
山岡 和子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 生命情報, 研究員 (00124438)
小山内 たか (財)東京都臨床医学総合研究所, 生命情報, 研究員 (60126018)
佐内 豊 (財)東京都臨床医学総合研究所, 生命情報, 研究員 (40150289)
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Keywords | 糖脂質 / シアル酸 / ガングリオシド / 糖転移酵素 |
Research Abstract |
1.シアル酸転移酵素の発現調節【1】発現クローニング法によるa2,8シアル酸転移酵素(GD3合成酵素)遺伝子のクローニング:GD3ガングリオシドの発現制御とその細胞生物学的役割を明らかにするためにGD3の合成に関わるGD3合成酵素cDNAの単離を試みた。高いGD3合成酵素活性を持つヒトメラノーマ細胞よりcDNAライブラリーを作成した。CHO細胞にcDNAライブラリーDNAを導入し、3日後に抗GD3モノクローナル抗体とFITC標識2次抗体で細胞を染色後、セルソーターで同酵素の発現量が高いと予想される蛍光強度の強い細胞のみを選別し、プラスミドDNAを回収した。現在、GD3合成酵素をコードする遺伝子を持つと予想されるプラスミドの単離を試みている。【2】GM3合成酵素の単離精製:GM3合成酵素を精製するために新たに開発した逆相薄層クロマトグラフィーとバイオイメージングアナライザーを組みわせた簡便な活性測定法を用いて、豚顎下腺GM3合成酵素の精製を行った。カラムクロマトの検討を行い、P11、色素アフィニティークロマト、レクチンアフィニティークロマト、ゲルろ過法が有効であることがわかった。2.細胞増殖制御における糖鎖の役割【1】細胞間接触にともなう細胞増殖抑制:増殖期における細胞間接着について検討した。増殖期の肝細胞として、70%肝切除後の遊離肝細胞を使用し、asialo GM1、lactosylceramideに対する接着性を評価した。その結果、肝切除後24時間経過するとasialo GM1、lactosylceramideに対する接着性が減弱した。肝切除後24時間程度で肝細胞は細胞周期上のS期に移行することが知られていることから、末端beta‐galactosideに対する接着性が細胞周期と相関することが示唆された。【2】TGFgamma2の作用機構の解析:TGF活性発現における糖結合活性の役割を明かにすること目的に、TGFgamma2の活性と構造について研究をすすめた。従来よりGBPはアシアロフェツインに結合することが知られている。しかしながら、腫瘍細胞から精製したTGFにはアシアロフェツインに対する結合能が認められなかった。しかし興味あることに、精製TGFgamma2を還元剤処理すると本来のTGF活性が消失すると共に、レクチンとしての性質(アシアロフェツインに結合する活性)が出現した。この結果は、TGFの活性には分子内S‐S結合が必須であること、逆にレクチン活性の保持には分子内S‐S結合が阻害的に働くことが示唆された。
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Research Products
(1 results)