1993 Fiscal Year Annual Research Report
チロシンリン酸化によるカドヘリン依存性細胞間接着・細胞骨格構成の制御
Project/Area Number |
05454168
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浜口 道成 名古屋大学, 医学部, 教授 (90135351)
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Keywords | カドヘリン / αカテニン / p60^<v-src> / src / チロシンリン酸化 / 細胞接着 |
Research Abstract |
カドヘリン機能を制御すると考えられているカテニンαに焦点を絞り解析した。カテニンαは、我々の鶏胎児繊維芽細胞をラウス肉腫ウイルスで癌化した系では、強くチロシンリン酸化を受けると共に、N-カドヘリン依存性の細胞凝集能が強く抑制される。一方E-カドヘリンを発現しているラット3Y1細胞では、カテニンαのリン酸化も、細胞間凝集能の抑制も共に著明ではない。今までの研究からでは、これらの相違がE-,N-カドヘリンの違いによるものか、αカテニンの構造の違いによるものか明かでなかった。そこで実験を行ない以下の点が明らかになった。 1)カドヘリンの機能を制御すると考えられているカテニンαの遺伝子を、鶏cDNAライブラリーからクローニングし、ほぼ全長の遺伝子構造を決定した。その結果、鶏繊維芽細胞のNカドヘリンに結合するカテニンは、鶏の神経細胞のNカドヘリンに結合するNカテニンよりむしろ、マウスのEカドヘリンに結合するカテニンと相同性を有することが判明した。現在チロシンリン酸化部位を検索中である。 2)ラウス肉腫ウイルスの癌遺伝子src以外のチロシンキナーゼ型癌遺伝子fps,yesで癌化した鶏胎児繊維芽細胞でも、αカテニンのチロシンリン酸化が検出され、このαカテニンは様々の癌遺伝子産物の標的となっていることが明かとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Hamaguchi et.al.: "p60^<v-src> causes tyrosine phospharylation and inactivation of the N-cadherin-catenin cell adhesion sistem." The EMBO Journal. 21. 307-314 (1993)
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[Publications] M.Hamaguchi et.al.: "Herbimycin A inhibits the association of p60^<v-src> with the cytosketal structure and with phosphatidylinositol 3'kinase" Oncogene. 8. 559-564 (1993)
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[Publications] S.M.Jamshedur Rahman et.al.: "Radox-linked ligand-independent cell surface triggering for extensive protein tyrosine phosphorylation." FEBS Letters. 317. 35-38 (1993)
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[Publications] T.Matsuno et.al.: "Cross-linking of B cell receptor-related MB-1 molecule induces ptotein tyrosine phosphorylation in early B lineage cells" The Journal of Immunology. 150. 3766-3775 (1993)
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[Publications] I.Nakashima et.al.: "Pathway of signal delivery to murine thymocytes triggered by co-crosslinking CD3 and thy-1 for cellular DNA fragmentation and growth inhibition." The Journal of Immunology. 151. 3511-3520 (1993)