1993 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄局在Tリンパ球の抗原レセプター・レパートリー形成に関わるリガンドの解析
Project/Area Number |
05454206
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
湊 長博 京都大学, 医学部, 教授 (40137716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 雅一 京都大学, 医学部, 助手 (40211479)
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Keywords | インターロイキン3 / T細胞抗原レセプター / 胎児抗原 / T細胞レパトア / 4F2抗原 / 造血系前駆細胞 |
Research Abstract |
造血系の前駆細胞より、多能性造血因子(ILB)の存在下で、胸腺固有組織非依存性にαβ型T細胞が分化誘導されること、しかも、その大多数が、Vβ2Nα4という全く同一構造の抗原レセプター(TCR)を発現すること、を示してきた。この結果は、これらユニークなT細胞群が、単一の抗原(リガンド)に対応していることを示唆している。そこで、同TCRを発現するT細胞ハイブリドーマを作製し、対応リガンドの検索を行った。その結果、同TCRは、MHC分子の発現を完全に欠失する胎生癌細胞上の抗原を認識しうることが示唆され、さらに、モノクロナール抗体の作製と、それによるcDNAクローニングから、その候補抗原として、4F2抗原を同定しえた。4F2は、85kDa(H鎖)と36kDa(L鎖)から成る2量体の膜型糖蛋白であり、今回の結果で、H鎖は明らかとなったが、L鎖の構造はまだ不明である。今後、L鎖の構造同定を進めると共に、今回の一連の結果より、同TCRが胎生期において、重要や役割を果すことが示唆されたので、胎生期におけるT細胞の認識レパトアという観点から同TCRとそれを発現するT細胞について、さらに、詳細な検討を進め、その意義を明らかにしていく所存である。
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Research Products
(1 results)