1994 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄局在イリンパ球の抗原レセプター・レパートリー形式に関わるリガンドの解析
Project/Area Number |
05454206
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
湊 長博 京都大学, 医学部, 教授 (40137716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 雅一 京都大学, 医学部, 助手 (40211479)
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Keywords | T細胞抗原レセプター / 胎児性抗原 / 胎生癌細胞 / T細胞レパトア / 4F2抗原 / 造血前駆細胞 / 骨髄 / 胎生造血 |
Research Abstract |
前年度にひき続き,マウスの造血環境で生成するインバリアントなT細胞抗原レセプター(TCR)(Vα4/Vβ2)を発現するユニークなT細胞亜群(CD3+4-8-)の、分化発生様式および認識抗原(リガンド)について解折を進め,以下の結果を得た。 (1)インバリアント(Vα4/Vβ2)T細胞の発生と分化:インバリアントTCRのα,β各鎖のcDNA塩基配列をもとにPCR法にて,同TCRを発現するT細胞の,個定発生を解析した。その結果,同インバリアントTCRmRNAは,胎生期10〜14日迄の肝臓において逆択的に発現され,それ以降では,肝,胸腺含め,急速に消失することがわかった。他方,通常のTCRmRNAは14,15日以降の胸腺および肝ではじめて検出可能であった。このことから,インバリアントTCRは,胸腺組織の発生に先行して,造血組織において,胎生初期に選択的に発現することが示された。 (2)インバリアントTCRのリガンドとしての4F2抗原の発現様式:4F2抗原H鎖の個体発生における発現様式を,ノーザン法およびウェスタン法にて,mRNAと蛋白の両面より解析した。その結果,4F2抗原は,10日以降の胎生諸臓器にすでに発現されており,その後徐々に精巣や脳に限局され,生後は専ら,この両組織に限局されることが示された。また新たに同L鎖のモノクローナル抗体を得,同等の結果を得た。 以上の結果から,(Vβ2/Vの4)インバリアントTCRは,4F2抗原といわばセットとして胎生初期に発現されることがわかり,発生過程で何らかの重要な役割を担っていると考えられた。
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[Publications] S.ARaki et al.: "Decrease of CD4-postive Tlymphocytes in workers exposed to benzidine and beta-naphthylamine" Archives of Environmental Health. 48. 205-208 (1993)
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[Publications] H.Kubota et al.: "Involvement of 4F2 antigen expressed on the NHC-negative target cells in the recognition of murine CD3+ CD4-CD8-αβ(Vα4/Vβ2)T cells" International Iminunology. 6. 1323-1331 (1994)
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[Publications] M.Hattori et al.: "Molecular cloning of a novel mitogen-inducifle ruclean potein with a Ran GTP ace-activating domain that affects cell cycle progression." Molecular and cillular Biology. 15. 552-560 (1995)