1994 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球ホ-ミングにおける接着カスケードの解明とその制御
Project/Area Number |
05454214
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮坂 昌之 大阪大学, 医学部, 教授 (50064613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 博人 大阪大学, 医学部, 助手 (50260336)
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Keywords | L-セレクチン / リンパ球ホ-ミング / 接着分子 |
Research Abstract |
リンパ球ホ-ミングの最も重要な段階であるリンパ球のリンパ節高内皮細胞(HEV)への接着を司るL-セレクチンとそのリガンドについて主に研究をすすめた。 その結果、次のようなことが明らかになった。まず、(1)L-セレクチンにはCD34,GlyCAM‐1などの既知のリガンドの他に、異なる分子サイズをもつ160kDaの糖蛋白質が新しいリガンドとして存在する、(2)糖鎖合成阻害剤を用いて解析からこの160kDa蛋白質へのL-セレクチンの結合はO型糖鎖を介する、(3)160kDa蛋白質へのL-セレクチンの結合はカルシウムイオン依存性であり、レクチンドメインへのリガンド結合を阻害する抗L-セレクチン中和抗体によりその結合が阻害されることから、このリガンドはCD34、GlyCAM‐1と同様の部位に結合すると考えられた。現在、この分子の大量精製を行ない、そのアミノ酸配列の同定を試みている。これとは別に、L-セレクチンを介して細胞内にシグナルが伝達されるかについて解析した。その結果、L-セレクチンに対するアゴニスティック抗体を用いることにより、細胞内カルシウムイオンの上昇が見られることが明らかになった。しかし、上昇のパターンは抗原刺激などで見られる場合とは大きく異なり、きわめて緩徐かつ持続的であることが判った。ただ、これがL-セレクチンを介した刺激に特有なことなのか、あるいは接着分子に共通に見られることなのかについては不明である。今後さらに解析を続ける予定である。
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[Publications] M.S.Mulligan: "Requirements for L-selectin in neutrophil-mediated lung injury of rats" Journal of Immunology. 152. 832-840 (1995)
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[Publications] Miyasaka,M.: "Expression of L-selectin(LECAM-1)ligands in the kidney" Current Topics in Mucosal Immunology. 367-371 (1994)
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[Publications] Harris,H.: "Reversible stimulation of lymphocyte motility by cultured high endothelial cells:mediation by L-selectin" Immunology. 85. 47-54 (1995)
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[Publications] 宮坂昌之(監修): "接着分子ハンドブック" 秀潤社, 322 (1995)