1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454220
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
相澤 好治 北里大学, 医学部, 助教授 (10124926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苅部 ひとみ 北里大学, 医学部, 助手 (10161259)
小谷 誠 東京電気大学, 工学部, 教授 (60057205)
高田 勗 北里大学, 医学部, 教授 (30050347)
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Keywords | 肺磁界測定 / ガリウム砒素 / 緩和 / クリアランス |
Research Abstract |
化学物質による肺毒性評価には、形態学的検査、肺の化学組成の変化、呼吸機能検査などが行なわれているが、本研究では磁界測定による残留磁界の急速な低下(緩和)と肺の異物処理能力を指標に肺毒性を評価する方法を用いて、肺毒性の比較的明らかでない半導体材料物質の肺毒性評価を行なうことを目的とした。また緩和現象をin vitroで観察するための装置を作製し、小動物の気管支肺胞洗浄により得られた肺胞マクロファージを酸化鉄と被検物質と共に培養し、緩和への影響を検討して細胞毒性を評価した。 家兎の気管内にFe_3O_420mg懸濁液2mlを注入後ただちにガリウム砒素、酸化ガリウムのいずれかを注入し、麻酔後、胸部を磁化し、残留磁界を計測した。対照には、生理的食塩水あるいは不活性物質であるポリスチレン樹脂のラテックス粒子懸濁液を用いた。実験に使用した家兎の肺は剖検の上、組織学的検索を光学顕微鏡と電子顕微鏡を用いて行った。 その結果、ガリウム砒素は量依存的に緩和とクリアランスを遅延せしめ、酸化ガリウムは僅かに影響を与えるにとどまった。組織学的には、肺組織への細胞浸潤が著しく、電子顕微鏡的観察では、貧食細胞内にガリウム砒素と酸化ガリウム砒素と酸化鉄が細胞質内に共存していた。またin vitroで、酸化鉄とガリウム砒素あるいは酸化ガリウム加えた後、磁界測定で緩和を観察した結果、in vivoと同様、ガリウム砒素の添加により緩和の遅延がみられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshiharu Aizawa: "Magnetometric evaluation of the effects of gallium arsenide on the clearance and relaxation of iron particles" Indsutrial Health. 31. 143-153 (1993)
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[Publications] 小谷 博子: "肺内磁性粒子の動態に対する酸化ガリウム気管内投与の影響" マグネティックス研究会資料. 93. 9-14 (1993)