1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454222
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Research Institution | KANSAI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
徳永 力雄 関西医科大学, 医学部, 教授 (40121959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 比良夫 関西医科大学, 医学部, 講師 (30148522)
竹谷 茂 関西医科大学, 医学部, 助教授 (20121949)
圓藤 陽子 関西医科大学, 医学部, 助手 (50193438)
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Keywords | 化学発癌 / DNA付加物 / 酵母 / チトクロームP450 / リボヌクレオチドレダクターゼ |
Research Abstract |
本研究は化学発癌の機構を解明し、その結果を用いて、これら化学物質曝露による発癌の危険性を予知できる方法を確立することを目的とする。化学発癌はDNA損傷が契機であると考え、DNA付加物生成、一重鎖切断をDNA損傷の指標とした。一方、リボヌクレオチドレダクターゼ(RNR)はDNA合成に必要なデオキシリボヌクレオチドを産生している酵素であり、RNR1,2,3によりコードされているが、RNR3はDNA損傷時にのみ、顕著に誘導される。従って、RNR3の誘導を検出することにより、DNA損傷の有無を知ることができると考えられる。RNR3のプロモーター領域にlacZ遺伝子を繋げたレポータープラスミドを酵母に導入し、RNR3の誘導をβ-ガラクトシダーゼの活性で定量できる方法を開発した。DNAに損傷を与える物質である4NQO,HUでRNR3mRNAが誘導されたが、2-アミノフルオレン(2-AF)では誘導されなかった、P4501A1を導入した酵母においては、2-AF曝露により、RNR3mRNAの誘導が検出された。従って、2-AFの代謝物質によりRNR3mRNAが誘導されることがわかった。 さらに、RNR3-lacZのレポータープラスミドpYE3を作製した。4NQO曝露においては、P450の有無にかかわらず、β-ガラクトシダーゼ活性は曝露開始後、増加し4時間でプラトーになった。P450を発現している系における2-AF曝露においては、曝露開始6-8時間でβ-ガラクトシダーゼ活性はピークとなった。以上の結果から、今回構築した方法はDNA損傷を検出するうえで、簡便かつ有効な方法であると考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] YEndo-Ichikawa,et al: "Formation of 4,4'-methylene-bis(2-chloraniline)-DNA adducts in yeast expressing recombinant cytochrome P450." Experientia. 51(in press). (1995)
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[Publications] 圓藤陽子,他: "P-450導入酵母におけるDNA損傷応答遺伝子の発現誘導" 日本衛生学雑誌. 50(in press). (1995)
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[Publications] S Taketani,et al: "Induction of peripheral-type benzodiazepine receptors during differentiation of mouse erythroleukemia cells.A possible involvement of these receptors in home biosynthesis." Journal of Biological Chemistry. 269. 7527-7531 (1994)
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[Publications] Y Endo,et al: "Improvement of urinary δ-aminolevulinic acid determination by HPLC and Fluorescence detection using condensing reaction with acetylacetone and formaldehyde." Japanese Journal of Industrial Health. 36. 49-56 (1994)
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[Publications] K Kohno,et al: "Site-directed mutagenesis of human ferrochelatase.Identification of histidine 263 as binding site for metal ions." Biochimica et Biophysica Acta. 1209. 95-100 (1994)