1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454235
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
上羽 昇 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部・病理課, 課長 (60250297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 勝広 大阪府立公衆衛生研究所, 薬事指導部, 主任研究員 (20250334)
高木 康博 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部・病理課, 主任研究員 (20192148)
前田 章子 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部・ウイルス課, 主任研究員 (40250279)
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Keywords | 抗体産生能 / マウス / 生薬 / 感染防御能 / 漢方方剤 / 高齢期 |
Research Abstract |
本年度はin vitro、in vivo両系で高齢期の免疫機能を高める生薬の検索を行った。 (1)in vitro系での成績:検索した種々の生薬、方剤のうち麻黄附子細辛湯では極めて特徴的な成績が得られた。すなわち生後10週齢では当方剤を添加したマウスの培養脾臓細胞中に観察された抗体産生細胞数は同週齢の対照群に比べ約150%に増加していた。その後加齢にともない抗体産生細胞数の比は次第に増加し、50〜68週齢では同週齢の対照群に比べ200〜300%に増加していた。これらの成績は当方剤が高齢期の抗体産生能を著しく高め、免疫応答能の賦活化に顕著な効果をもつことを示唆するものと思われた。 (2)in vivo系-1での成績:次にこの方剤(麻黄附子細辛湯エキス)の0.5mg/匹と5.0mg/匹を5〜50週齢のC3H/HeN系マウスに週5回、2週間、合計10回経口投与した。最終投与の翌日、DNP-dextranを尾静脈より静注して抗原刺激した。抗原刺激の5日後に脾臓を抽出し脾臓中の抗DNP-IgM抗体産生細胞数を算定して、当方剤が抗体産生反応にどのような効果を及ぼしているかを調べた。生後10週齢では方剤投与群の抗体産生細胞数は対照群の約12%程度の増加であった。しかしその後加齢とともに抗体産生細胞数の比は次第に増加し、生後50週齢では対照群に比べ約200%程度に増加していた。これらの成績から当方剤(麻黄附子細辛湯)は衰退した高齢期の免疫応答能を賦活することが明らかとなった。 (3)in vivo系-2での成績:この方剤を6ケ月齢のマウスに投与した後、インフルエンザウイルスを感染させたところ、感染3日目の感染率は対照群で100%であったのに比べ0.5mg投与群では80%、5mg投与群では60%に低下していた。また、肺臓中のウイルス量の対照群と比較すると感染後3日目でも、6日目でも0.5mg投与群では対照群より低下しており、5.0mg投与群ではさらに低下していた。これらの成績は当方剤(麻黄附子細辛湯エキス)の投与によりマウスの感染防御能が高まったことを示すものとおもわれた。現在1年齢マウスを用いた感染実験を準備中である。
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