1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454263
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Research Institution | TOKYO METROPOLITAN INSTITUTE FOR NEUROSCIENCES |
Principal Investigator |
田中 勵作 (財)東京都神経科学総合研究所, 病態神経生理学研究部門, 参事研究員 (20003626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鏡原 康裕 (財)東京都神経科学総合研究所, 病態神経生理学研究部門, 兼務研究員 (50146784)
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Keywords | 痙縮 / 足関節運動 / H反射 / 相反性抑制 / Ia抑制 / ヒラメ筋 / 前脛骨筋 / ヒト |
Research Abstract |
痙縮症状の発現機構を筋伸張反射および相反性神経支配(主動筋促通と相反性抑制)に関わる脊髄内神経回路網に則して解析し、随意運動実行中に現れる運動障害にたいするこれらの回路網の関わり方を検討している。被検者に反応時間試験をベースとするステップ型視標追跡法により随意性急速足関節屈伸運動課題を設定した。これにH反射法を組み込んで、運動開始前後における前脛骨筋(屈筋)およびヒラメ筋(伸筋)を支配する運動ニューロンプール、そして前脛骨筋からヒラメ筋に向かうIa抑制回路の興奮性変化の時間経過を調べた。これまでに判明した主な結果は以下の通りである。 1)足背屈運動開始に伴うヒラメ筋への相反性抑制の発動は、第1期(主動筋=前脛骨筋の随意筋電図活動開始にほぼ同期して始まる比較的弱い抑制の発現)、第2期(筋電図開始後50-100msに見られる回復)、及び第3期(100ms以降に持続する強力且つ実効的な抑制相)の過程を経た。前脛骨筋からヒラメ筋に向かうIa抑制回路は筋電図開始前数十ミリ秒で促通を開始した(運動コマンドによる直接促通効果)。 2)痙縮患者(30例)で相反性抑制活動に以下の異常低下が観察された。(1)第1期の抑制の消失、(2)第2期の回復相が軽症4例を除いて過剰な促通反応へと転換、(3)相反性抑制の実効的要素である第3期の抑制が3例を除いて著明に低下、(4)筋電図開始時のIa抑制回路の促通が多数例で消失。相反性抑制機能の異常低下が痙縮による運動障害の一因をなす、と考察した。 3)健康対照群で試験課題を逆転させた場合(足底屈運動、主動筋=ヒラメ筋)の前脛骨筋からヒラメ筋運動ニューロンへのIa抑制の活動は抑制された。この機序を足底屈運動に伴うヒラメ筋から前脛骨筋へのIa抑制活動増強による相互抑制の結果と考察した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 田中 勵作: "痙縮の神経機構-再訪" リハビリテーション医学. 32. 97-105 (1995)
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[Publications] J.Nielsen,M.Nagaoka,Y.Kagamihara,N.Kakuda and R.Tanaka: "Discharge of muscle afferents during voluntary co-contraction of antaganistic ankle muscles in man." Neurosceience Letters. 170. 84-94 (1994)
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[Publications] 田中 勵作: "随意運動開始時の拮抗筋からのIa抑制回路の活動性変化" 脳波と筋電図. 23. (1995)
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[Publications] 長岡正範,鏡原康裕,J.Nielsen,角田尚幸,田中勵作: "Co-contraction時の筋紡錘活動" 臨床神経. 33. (1994)
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[Publications] 鏡原康裕,田中勵作: "痙縮疾患における随意運動開始時の相反性抑制の動態" 脳波と筋電図. 22. (1994)
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[Publications] Y.Kagamihara and R.Tanaka: "Actitivity of the reciprocal Ia Inhibitory pathway is modulated by force change upon initiation of voluntary ankle dorsiflexion movement in man." Jpn J.Physiol.,Suppl.2. 43. S578- (1993)