1994 Fiscal Year Annual Research Report
心筋内イオン・ホメオスタシス維持における解糖系由来ATPの役割
Project/Area Number |
05454270
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
楠岡 英雄 大阪大学, 医学部, 教授 (00112011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植原 敏勇 大阪大学, 医学部・付属病院, 講師 (80243202)
西村 恒彦 大阪大学, 医学部, 教授 (70237733)
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Keywords | 心筋 / 解糖系 / 糖取り込み速度 / 虚血 / 再灌流 / 核磁気共鳴 / グルコース・トランスポータ |
Research Abstract |
心筋細胞では、収縮に必要なエネルギーは主として酸化的燐酸化により供給され、細胞内イオンホメオスタシスを維持するためのエネルギーは解糖系に由来すると考えられている。一方、短時間の虚血後再灌流した心筋では、壊死は生じないにもかかわらず収縮性の低下が遷延し、このような病態はstunned myocardiumと呼ばれている。stunned myocardiumでは、虚血中に消費されたグリコーゲンの再合成が進行し、また、虚血中に生じたイオン・ホメオスタシスの異常を修復するために、解糖系が亢進していると報告されている。今年度においては、このような再灌流心筋におけるブドウ糖取り込みを、ブドウ糖の類似化合物であり、心筋内に摂取後はその代謝が行われないデオキシグルコースを用い、その取り込み速度を燐核磁気共鳴法により測定することで評価した。その結果、stunned myocardiumにおいては、再灌流直後においてはインスリンによる最大刺激(対照の約8倍)に匹敵する程度にまでブドウ糖取り込み速度が亢進しており、カテコラミンによるβ刺激や低酸素状態により亢進したブドウ糖取り込み速度よりも有意に大きいこと、この亢進は再灌流後20分では最大値の約2分の1にまで低下しているが、やはり対照より有意に高いことが明らかとなった。また、再灌流後のブドウ糖取り込みの亢進は、グルコース・トランスポーター4型の阻害剤により抑制されることから、虚血・再灌流がグルコース・トランスポーター4型の細胞質より膜状へのtranslocationをもたらしていることが明らかとなった。この糖取り込み速度の生理学的意義については、今後、検討の予定である。
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[Publications] Kusuoka,Hideo: "Mechanism of the diastolic dysfunction induced by glycolytic inhibition." Journal of Clinical Investigation. 93. 1216-1223 (1994)
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[Publications] Kusuoka,Hideo: "Control of steady-state intracellular pH in intact perfused ferret heart." Journal of Molecular and Cellular Cardiology. 26. 821-829 (1994)
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[Publications] Marban,Eduardo: "Disruption of intracellular Ca^<2+> homeostasis in hearts reperfused after prolonged episode of ischemia." Annals of New York Academy of Sciences. 723. 38-50 (1994)