1994 Fiscal Year Annual Research Report
自己伸縮する内皮細胞の分子機構の存在と病態生理学的意義
Project/Area Number |
05454280
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
上田 清悟 (財)東京都老人総合研究所, 細胞生物, 研究員 (00160169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 哲 (財)東京都老人総合研究所, 酵素生化学, 研究員
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Keywords | 内皮細胞 / Cl^-チャンネル / プロテインキナーゼA / プロテインキナーゼC / Ca^<2+> / 形態変化 / アデノシンA_1 |
Research Abstract |
私共は内皮細胞が外的な力ではなくprotein kinase AとCによる細胞情報伝達系により、Cl^-チャンネルを介して自在に伸縮できることを見出した(Ueda,Circ Res 1980)。 内皮細胞のCl^-チャンネルはwhole-cell patch-clampとCl^-イオン蛍光指示薬SPQの単一細胞内濃度測定(Argus100CA)を用いて明らかにした。すなわち、cAMPやforskolinによるprotein kinase A(PKA)の活性化及びstaurosporineやH7によるprotein kinase C(PKC)の阻害が、部分的にCl^-チャンネルを抑制することで過分極を来たし、このためCl^- effluxを増加して細胞volumeを減少することを明らかにした(Circ.Res.1990.日循シンポ,1993)。また[Cl^-]濃度は、PKC阻害薬staurosporineにより8分で38±4mMより18mMに減少した。細胞内Ca^<2+>は、ionomycinでは早期に上昇したが、forskolinやstaurosporineは徐々に、わずかに200nM程度の低い上昇を示した。このCa^<2+>の上昇はEGTAにて阻止されることによりCa^<2+> influxによることを示す。volume減少はCl^- effluxとともに30分でコントロールの30%までの著しい減少を示した。また私共は内皮細胞がアデノシンA_1受容体を有し百日咳毒素感受性Gi蛋白を介して活性化されるCl^-チャンネルの存在を明らかにした(BBRC,1994)。 内皮細胞の伸縮性は、内皮細胞のCa^<2+>チャンネルやK^+チャンネル(Iks,IkCa)を活性化するmechanotransducerとして、極めて重要な意味を持ち、PGI_2とEDRFの産生分泌をコントロールすることもここに示した。Cl^-チャンネルを介した内皮細胞の伸縮機構が動脈硬化の発症に重要な役割を果たしていることを示唆する。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Arima M.: "Adenosine induces Cl^- efflux in endothelial cells via a pertussis toxin-sensitive G protein." Biochem.Biophys.Res.Commun.204. 1143-1149 (1994)
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[Publications] 上田清悟: "血管内皮細胞のCl^-チャンネルによるvolume調節機構" 脈管学(第35回日本脈管学会総会シンポジウム). (in prss). (1995)
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[Publications] 上田清悟: "血管内皮細胞とCl^-チャンネルによる伸展調節機構" Jpn.Circ.J.57. 1175-1179 (1993)
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[Publications] 上田清悟: "高血圧自然発症ラットSHRの大動脈内皮細胞の情報伝達系の異常" 臨床薬理の進歩. 1-8 (1993)
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[Publications] 上田清悟: "内皮細胞とCl^-チャンネル" 医学のあゆみ. 170. 526-530 (1994)