1993 Fiscal Year Annual Research Report
3次元補償フィルタによるField in field照射法の開発
Project/Area Number |
05454302
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
伊津野 格 信州大学, 医学部, 助教授 (80020783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小口 正彦 信州大学, 医学部, 助手 (50169257)
曽根 脩輔 信州大学, 医学部, 教授 (80028480)
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Keywords | Radiation therapy / Compensator / Field within a field technique |
Research Abstract |
1. 3次元補償フィルタ(3DCF)によるField in field法に関する基礎的実験から、本法が臨床に応用できることを示す以下の結果を得た。 (1) 3DCFによる大照射野と小照射野の線量の重みづけ(weighting)は、数腫の3DCFの素材を用いての検討において、通常の臨床に必要と思われる範囲、すなわち1:1.5位までは問題無く可能である。 (2) 頭頸部癌、とくに喉頭癌などでは、治療に使用する放射線エネルギーは比較的低いほうがよいとされるが、3DCF使用によって放射線のエネルギーが本来のそれよりも高くなる現象(beam hardning)は極く軽微であり、臨床上問題にはならない。 (3) 小照射野は大照射野の任意の位置にも置ける、すなわちoff axisに設定出来る。 2. 本法の適応疾患として種々想定されるが、これをクリアすれば他の疾患への応用は容易であろうという観点から、最初から最も複雑な3DCFを必要とする上咽頭癌の放射線治療の側方対向2門照射に本法を導入することを試みた。上咽頭部と他の部との線量比が、1.15:1となるように3DCFを作成した。フィルタ等を用いない、いわゆるopen fieldでは不均等であったtarget volumeの線量分布は、3DCF使用で全体としてはほぼ均等となり、その中で上咽頭部と他の部との線量1.15:1が実現した。この成果を本年1月の国際放射線学会議(シンガポール)において発表し得た。
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