1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454306
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
片山 仁 順天堂大学, 医学部, 教授 (80053007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 輝幸 順天堂大学, 医学部, 助手 (90219725)
平野 隆雄 順天堂大学, 医学部, 講師 (10165186)
奥村 康 順天堂大学, 医学部, 教授 (50009700)
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Keywords | 造影剤 / ヨード造影剤 / 副作用 / 抗原抗体反応 |
Research Abstract |
平成5年度は、造影剤に対するアレルギー抗体の検出方法を確立するため、a.マウスを用いた抗造影剤抗体の検出、b.ヒト血清中の抗造影剤抗体の検出、c.ラットおよびモルモットを用いたPCA反応などで検討することを計画した。実際に行った実験研究は以下のとおりである。 われわれは、in vivoでのマウスIgE抗体産生系を用いて、水溶性ヨード造影剤がIgE抗体産生に及して水酸化アルミニウム、およびヨード造影剤(Iopamidol)をマウスに腹腔内注射し、4週後に二次免疫をした。抗体検出法はELISAにより、血清IgE抗体量、抗DNP-IgG_1量、および抗DNP-IgE量を測定した。結果は以下のとおりである。一次免疫後の血清においては、DNP-KLH+水酸化アルミニウムのみを免疫した群と、DNP-KLH+水酸化アルミニウム+ヨード造影剤を免疫した群では有意差はなかったが、二次免疫1週間後の血清では、後者においてIgE抗体量および抗DNP-IgG_1抗体量の有意の上昇が認められた。このことからアレルギー関与因子であるIL-4依存性の抗体産生を、ヨード造影剤が増強する可能性が示唆された。そこでIL-4に関連するIL-4誘導性IgE抗体産生、Ia抗原発現の増強、およびFcepsilon-receptor発現の増強について解析した。方法は前記のものに加え、各種モノクロナール抗体を用いて、マウスの脾臓を細胞染色し、FACStarにて解析した。細胞染色においてもIa抗原およびFcepsilon-receptor発現の増強が認められた。以上の結果から非イオン性水溶性ヨード造影剤は、それ自体が単独でアレルギー反応を惹起するか否かは別として、少なくともアレルギー関与因子であるIL-4依存性の免疫反応を増強する可能性があることが示唆された。 なお、これらの結果は第23回日本免疫学会総会(仙台市、平成5年11月17-19日)および第53回日本医学放射線学会総会(神戸市、平成6月4月7-9日)で発表した。
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