1994 Fiscal Year Annual Research Report
記憶モデルとしてのキンドリング(小脳歯状核がてんかん焦点形成に果す役割り)
Project/Area Number |
05454313
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
鶴 紀子 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (90041425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 勇人 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (70244192)
石田 康 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (20212897)
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Keywords | Kindling / dentate nucleus / cerebellum / CAT / glutamate / GABA |
Research Abstract |
1.大脳扁桃核キンドリングを用いて小脳歯状核が大脳の神経可塑性にどのように関与しているか調べた。ラットとネコでは一側小脳歯状核を、予め破壊しておくと、扁桃核キンドリングの発展過程に及ぼす影響が異なるが、何れも初期の段階では促進傾向が認められた。後放電の持続時間でも種属差を認めた。左歯状核破壊が右扁桃核キンドリングにおいて二次焦点形成を優位に促進した。 2.一側小脳破壊動物を用いて、メタアンフェタミンを投与し、回転運動がどのように変容しているか検索したが、明瞭な一側優位の回転を示すには至らなかった。 3.発作発現の生物学的基盤に関連して、微小透析を用いて、キンドリング発作時のグルタメートをラット腹側海馬で両側性に測定すると、(1)扁桃核キンドリングに際し、グルタメートの放出が発作と一致して増大し、発作終了後急速に回復する、(2)その程度はキンドリングの段階が進展する程、グルタメート放出両が増大するのを観察出来た。しかしながら、各刺激毎の発作前のベースラインの値は発作前と変わらず、発作発現には関与するがけいれん準備性との関連は更に検討する必要がある。 4.発作時のGABAの動態を微小透析法で検索し、刺激側、反対側の腹側海馬で、第1回キンドリング刺激では全く変化しないが、3段階で発作と一致して増大し、最終段階の5段階では更に増大する。これらの変化は発作後80分以上持続し、刺激前のベースラインに戻らず、発作間欠期でも、次第に、増大するのが観察された。このGABAの変化はけいれん準備性と関連するものであろう。 向後海馬のグルタメートのレセプターがどのような動態に変化しているのか組織化学的に、また、分子生物学的に追求したい。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ueda,Y.and Tsuru,N.: "Bilateral seizure-related changes of extracellular glutamate concentration in hippocampi during development of amygdaloid kindling." Epilepsy Research. 18. 85-88 (1994)
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[Publications] Ueda,Y.and Tsuru,N.: "Sequential changes in extracellular gamma-aminobutyricacid concentration during the development of amygdaloid kindling." Neurosciences. 20. 23-27 (1994)
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[Publications] Ueda,Y.and Tsuru,N.: "Simultaneous-monitoring the seizure-related changes of extracellular glutamate and γ-aminobufyric acid concentration in the bilateral hippocampi during the development of the amygdaloid kindling." Epilepsy Research. (accepted).
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[Publications] 鶴 紀子: "てんかん研究の最前線,ラット扁桃核kindlingに及ぼす小脳歯状核破壊の影響について" ライフサイエンス(田中達也編), 167(p99-105) (1994)
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[Publications] 鶴 紀子: "てんかん学の進歩3,キンドリング研究からみた発作発現機序、神経生理学的立場から" 岩崎学術出版社(秋元波留夫・山内俊雄編)(印刷中),