1993 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞におけるアルドステロンの産生とその調節因子に関する研究
Project/Area Number |
05454318
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮森 勇 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (40142278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 仁勇 金沢大学, 医療技術短期大学部, 講師 (90242544)
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Keywords | アルドステロン / P450aldo / アンジオテンシンII / 血管平滑筋 |
Research Abstract |
ラット腸間膜動脈灌流標本からの灌流液をSep-pakC18カラムにて抽出し,メタノールを用いた逆相高速液体クロマトグラフによりアルドステロンの分画を分集しさらにガスクロマトグラフ-質量分析装置にかけると合成アルドステロンに一致した質量数が得られた。このことは腸間膜動脈からアルドステロンが直接産生されていることを示唆している。さらに血管壁におけるアルドステロン合成酵素であるP450aldoのmRNAの存在をP450aldoに特異的なプライマーを用いてRT-PCR法により増幅し、アルドステロン産生腺腫から既報のごとくP450aldcDNAを作成し、サザンブロッティング法により検検討するとP450aldomRNAの発現が見られその存在や確認された。この結果は血管壁におけるアルドステロンの産生をさらに強く示唆するものである。 血管壁におけるアルドステロン合成にアンジオテンシンIIがいかに関与しているか検討するために血管壁でのアンジオテンシン変換酵素活性を十分抑制する量の阻害薬(ACEI)をラットに長期投与し腸間膜動脈からのアルドステロンの産生量について検討した。ACEI投与により腸間膜動脈からのアルドステロン産生は対照ラットに比して約50%低下した。また両側副腎摘出ラットにおいては血管壁からのアルドステロン産生は増加していた。以上のことよりアンジオテンシンIIが局所でのアルドステロン産生に関与していることが示唆される。また副腎摘出ラットで血管壁からのアルドステロン産生が増加していたことよりアンジオテンシンII以外にACTHの関与も推察できる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 宮森勇: "Pre-clinical Cushing症候群" 日本内分泌学会雑誌. 70. 25-30 (1994)
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[Publications] Y.Takeda,I.Miyamori 他: "Increased Concentration of Endothelin Mesenger RNA in the mesenteric arteries of cyclospolin.Induced Hypertensive Rats" Am.J.Hypertens. 6. 427-430 (1993)
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[Publications] Y.Takeda,K.Iki,I.Miyamori,他: "Formation of 18-deoxy-19-noraldosterone by a human aldosterone-producing adenama." Steroids. 58. 282-285 (1993)
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[Publications] Y.Takeda,T.Yoneda,I.Miyamori 他: "IIβ-hydroxysteroid dehydrogenase activity in mesenteric arteries of spontaneously hypertensive rats" Clin Exp.Pharm.Physiol. 20. 627-631 (1993)
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[Publications] 竹田亮祐,宮森勇: "示説・副腎皮質内分泌学" 文光堂, 132 (1993)