1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454321
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清野 裕 京都大学, 医学部, 助教授 (40030986)
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Keywords | β細胞 / 転写制御 / ブドウ糖 / GLUT2 / SSTR / GIP |
Research Abstract |
当初の研究計画・方法に従い、マウス・ソマトスタチン受容体遺伝子(SSTR2)、ヒト・肝型糖輸送担体遺伝子(GLUT2)、ならびに、ヒトGastric Inhibitory Polypeptide遺伝子(GIP)の5'-上流域の塩基配列を決定した。これらの塩基配列から、GIP遺伝子の5'-上流域には、TATA box,CAAT配列に加え、cyclic AMP Responsive Element(CRE)様配列が存在し、SSTR2遺伝子の5'-上流域にはGC box様配列およびCRE様配列が認められた。GLUT2遺伝子ではconsensus TATA boxとして知られるTATAA配列を認めるが、実際に転写に寄与する可能性は低いものと考えられ、これより約1kb下流のCATAA配列あるいはAATAA配列が転写制御に重要であることが推定された。GIPについては、primer extension法により転写開始部位が決定されたが、SSTR2および、GLUT2については、実験に供する細胞と、検討する遺伝子の種差の問題があり、現在、検討中であるが、近日中にこれらの問題については解決する見込みである。 塩基配列の決定に引続き、対応するcDNAの塩基配列との比較からこれらの遺伝子の5'-上流域のDNA断片を制限酵素によって切断し、deletion mutantを作成する作業を進め、各遺伝子につき6〜15種類のmutantを得た。これらのdeletion mutantをChloramphenicol Acetyltransferase(CAT)またはLuciferase(Luc)発現プラスミドに組み込み、ハムスターβ細胞株HIT-T15細胞に導入して、transient expressionの系でその転写活性を検討した。これらのCAT assayあるいはLuciferase assayの結果から、各遺伝子の転写活性に必須の部分が明確になり、SSTR2遺伝子とGLUT2遺伝子に関しては転写開始部位より上流約300bpまでを含むDNA断片において、ブドウ糖による転写活性の亢進が認められた。 現在、Gel mobility shift assayおよびDNase I footprint法に用いるDNA断片を作成し、Gelmobility shift assayを進めている。
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Research Products
(1 results)