1993 Fiscal Year Annual Research Report
血栓症の危険因子、アポリポプロテイン(a)遺伝子の発現調節機構の研究
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05454327
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
一瀬 白帝 山形大学, 医学部, 教授 (10241689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 照人 山形大学, 医学部, 助手 (70250917)
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Keywords | アポリポプロテイン(a) / リポプロテイン(a) / 動脈硬化 / 血栓症 / プラスミノゲン / クリングルドメイン / 遺伝子診断 / 高脂血症 |
Research Abstract |
アポリポプロテイン(a)[アポ(a)]の分子量や血中レベルは各個人によって大きく異なり、共優性遺伝する。そこで、アポ(a)アイソタイプと血中レベル、血栓傾向を予測することを目標に、アポ(a)遺伝子の5'転写調節領域やクリングル4領域の相違を検索している。平成5年度は、米国人の健常人66例と日本人の脳梗塞68症例の末梢血からゲノムDNAを抽出して、(1)個人のアポ(a)遺伝子の増幅と塩基配列決定、(2)個人のアポ(a)遺伝子5'領域のタイピング、(3)個人のアポ(a)遺伝子のクリングル4領域の検出などを実施し、次の結果を得た。 1. 10名のアポ(a)遺伝子の5'領域の塩基配列に4か所の点変異が発見され、遺伝的多型性があることが確認された。 2. 4か所の点変異は制限酵素による切断部位を新たに出現させたり、破壊したりするので、切断の有無の組み合わせにより分類法を確立した。米国人のアポ(a)遺伝子の5'領域はA、B、C、Dの4つのタイプに分類されたが、日本人には、A、C、Dの3つしか見られず、それぞれのタイプの比率も大きく異なっていた。 3. パルスフィールド電気泳動を用いて計測した個人のアポ(a)遺伝子のサイズは、抗ヒトアポ(a)抗体を用いたウェスタンブロッティングによって計測したアポ(a)蛋白質の分子量と完全に対応していた。また、それぞれのクリングル4領域に特異的なプライマーを用いてPCR反応により個人のゲノムDNAを増幅したところ、増幅を試みた全ての種類のクリングル4領域を保持していることが判明した。 次年度は、11種類のクリングル4を個人のmRNAを用いてRT-PCRで検出し、4つの5'領域タイプの転写活性はCAT(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ)ベクターを用いて直接比較する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ichinose,A.: "Characterization of polymorphisms in the 5'-flanking region of the apolipoprotein(a) gene among individuals." Thromb.Haemost.69. 1097 (1993)
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[Publications] 一瀬白帝: "アポリポプロテイン(a): 動脈硬化と血栓症" 日本血栓止血学会誌. 4. 363-371 (1993)