1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454351
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
谷 徹 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (20179823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 善裕 滋賀医科大学, 医学部, 医員
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Keywords | グラム陽性菌 / TSST-1 / 敗血症 / MRSA |
Research Abstract |
1)in vitro a)ELISAでTSST-1を検出することができ、他の外毒素との交差反応はなかった。定量限界はほぼ50pg/mlと考えられた。 b)TSST-1産生の黄色ブドウ球菌の培養液中にTSST-1を検出することが可能であった。 c)human peripheral mononuclear cellの培養液にTSST-1を添加すると、濃度依存性にTumor necrosis factor-αを産生したが、エンドトキシンに比較し、高濃度を要した。 d)臨床検体ではTSST-1陽性のものが重症患者(多臓器不全、敗血症)で散見されたが血中濃度は200〜300pg/ml程度であった。 2)in vivo a)家兎にTSST-1の精製品(1μg/kg)を静脈注射後、経時的に血中濃度を測定ると、血中のTSST-1濃度は60分でほぼ消失し、そのclearanceはかなり速かった。 b)TSST-1静脈注入後の循環動態の変化を調べると、1時間以内では血圧、心拍出量は徐々に減少するが、controlと有意差はなく、体温は徐々に上昇した。しかしほとんどの家兎は6時間以内に死亡した。 c)TSST-1産生の黄色ブドウ球菌を静脈注射後その血中生菌数の変化とTSST-1濃度を測定したが、TSST-1濃度はほとんど検出限界以下であった。 [総括] 血中のTSST-1が検出されるには持続的なTSST-1産生菌の重症感染が必要と考えられた。またTSST-1のclearanceについては血液中の不活性化か循環血液外への移行か検討が必要と考えられた。
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