1993 Fiscal Year Annual Research Report
末消動脈再建における晩期閉塞の病態ならびに制御対策の解明に関する研究
Project/Area Number |
05454358
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
草場 昭 琉球大学, 医学部, 教授 (40038659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久田 斉 琉球大学, 医学部, 助手 (80244309)
鎌田 義彦 琉球大学, 医学部, 助手 (10177561)
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Keywords | 末消動脈血行再建術 / 晩期閉塞 / 内膜肥厚 / Brdu / コラゲン分布 / 血管内腔由来新生血管 |
Research Abstract |
犬後肢に末消血流抵抗の高い異常流れを作成し、その中枢側で大腿動脈自家静脈バイパス移植を行い、移植片ならびに末消側吻合部における肥厚内膜におけるBrdu取り込み、コラーゲン分布、細血管新生過程について検索した。 1.肥厚内膜におけるBrdu取り込み 1).移植後2週目をピークとして移植片ならびに吻合部の全層にBrduの強い取り込みがみられた。 2).移植後1カ月以降では、肥厚内膜の表層ならびに外膜ではBrduの取り込みはみられなかったが、肥厚内膜の深層では、6カ月以降でも強い取り込みがみられた。 3).すなわち、異常流れでのバイパス移植では、移植片、吻合部ともに6カ月以降でも細胞増殖による内膜肥厚が続いており、細胞増殖の主座は肥厚内膜深層にあると考えられた。 2.肥厚内膜におけるコラーゲン分布 1)移植片肥厚内膜の表層数層はI,III,IV型コラーゲン抗体に強く染色され、動脈内膜のコラーゲン分布に類似した。 2)吻合部肥厚内膜では、全層にわたってI,IV型コラーゲンが均等に分布するが、動脈内膜に類似する分布を示さず、移植片肥厚内膜とは異る組成を示した。 3.肥厚内膜における細血管の新生 1)吻合部では、縫合糸に沿つて、血管内腔由来の細血管が多数形成された。 2)移植後2週以降では、血管内腔由来の細血管は吻合部肥厚内膜に網状に密に分布した。 3)吻合部肥厚内膜の細血管の新生に対する外膜vasa vasorumの関与は少ないと考えられた。
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