1993 Fiscal Year Annual Research Report
ジフェニルエーテル系除草剤CNPの胆汁中残留とその発癌促進作用について
Project/Area Number |
05454375
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
吉田 奎介 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (90018680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 泰儀 日本歯科大学, 新潟歯学部, 薬剤師 (20120602)
川合 千尋 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (50186045)
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Keywords | CNP / 胆道癌 / 胆汁変異原性 |
Research Abstract |
1.研究資料の蓄積: 平成5年8月に超低温槽が設置され、以後現在までに胆石症45例、胆嚢癌2例、他の胆道系悪性腫瘍2例の胆嚢胆汁が、また胆石症例の胆石が保存された。資料の蓄積はさらに継続され、次年度に胆汁及び胆石中残留CNPの検索に供される予定である。 2.胆汁の変異原性試験: 蓄積された胆汁の一部と、胆道癌の頻度の低い高知県の胆石症例の胆汁とを用いてblue rayon extract法で改良されたAmes testを行った結果、新潟地域の胆石症胆汁の変異原性が有意に高いことが証明された(Mano H. et al.:Mutation Res 290:303-309,1993.)。 3.実験動物ハムスターへのCNP投与試験: 1)短期投与実験:CNPは水に難溶性のためサラダオイルを溶媒として飼料に5000ppm濃度に調整し、4週間の投与を行った。しかし、ハムスターの40%が4週間未満で死亡し、剖検ないし犠牲死の時点で肝胆道系に腫瘍の発生は肉眼では認められなかった。胆汁中のCNP定量には採取胆汁量が少ないため、粉末状CNPの投与に変更して継続中である。 2)長期投与実験:短期実験の結果に基づき、粉末状CNPを3000ppm濃度に混合した粉末飼料による12ヶ月投与実験が開始された。現在4週間を経過して体重増加不良なるもほぼ順調に経過している。 以上の様に胆汁の性状が胆道癌多発の要因であることが強く疑われ、CNP関与を検討するための準備が臨床材料で整った。動物実験は条件設定に時間を要したが6年度内終了の予定で進行している。
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