1995 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲン・ゲル包埋培養法による制癌剤感受性試験に関する研究
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05454390
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Research Institution | Kinki University School of Medicine |
Principal Investigator |
原 聡 近畿大学, 医学部, 講師 (60228616)
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Keywords | 制癌剤感受性試験 / コラーゲンゲル包埋培養法 / 内分泌療法剤 / ヒト乳癌細胞株 / AUC |
Research Abstract |
コラーゲンゲル包埋培養法は、癌化学療法の奏効率の向上と毒性の軽減を図るために、in vitro感受性試験として開発された。その結果、in vivoでの腫瘍組織内の制癌剤のAUC(area under the concentration and time curve)に基づいた至適接触条件の設定が確立された。これは、制癌剤の薬理動態を考慮した設定であり、in vivoの感受性試験と同じ結果が得られた。 また、内分泌療法剤であるTamoxifen(TAM)およびMedroxyprogesteron acetate(MPA)については、17β-estradiolの添加の有無をも含めた環境下での接触条件を設定確立することができた。また、抗腫瘍効果の判定は従来より行なっている方法に改良を加え、neutral redを併用することにより生細胞のみの判定が可能となり、より精度を高めることが可能となった。さらに、ヒト乳癌細胞株に対する制癌剤と内分泌療法剤の併用療法を行ない、抗腫瘍効果の増強を確認した。つまり、乳癌に対して内分泌療法剤の併用により、制癌剤の投与量の減量が可能であることが示唆するデータが得られた。臨床への応用では、本法によりTAMに"感受性あり"と判定された症例では、"感受性なし"と判定された症例に比し、TAMの投与により生存期間の延長がみられた。これは、本法が臨床への応用の可能性を示唆する成果と考える。
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[Publications] 原 聡: "コラーゲンゲル包埋培養法を用いた制癌剤感受性試験における至適接触条件の検討" 日本癌治療学会誌. 29. 946-956 (1994)
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[Publications] TOMIO WADA: "CAF versus CAF plus Medroxyprogesterone Acetate for Treatment of Liver Metastases of Breast Cancer" Brease Cancer. 2. 65-70 (1995)
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[Publications] TOMIO WADA: "Combined Chemoendocrine Treatment with Tegafur and Tamoxifen for Adranced Renal Cell Carcinoma" Anticancer Research. 15. 1581-1584 (1995)