1994 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管攣縮の病態及び原因に関する研究 L.アルギンシー一酸化炭素経路の関わりについて
Project/Area Number |
05454396
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
菊池 晴彦 京都大学, 医学部, 教授 (20072746)
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Keywords | 脳血管攣縮 / クモ膜下出血 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
クモ膜下出血後発生する脳血管攣縮は患者の予後を左右する重大な合併症の1つであるが、その原因はいまだ不明である。脳血管のトーヌスの調節は血管内膜からのEDRF、エンドセリンなどの生理活性物質、血管外膜からのさまざまな神経伝達物質により行われており、本研究では脳血管におけるNOを介する血管調節機構がクモ膜下出血後どのように変化するかを検討した。まず、ラット、イヌにおいて自家血大槽内一回注入法によりクモ膜下出血モデルを作成し、脳血管攣縮の発生を確認したところ、ラットでは出血1日目に20%、イヌでは出血3日目に30%の収縮が得られた。続いて脳血管壁に存在するNO合成酵素の分布を検討したところ、正常血管では内皮および外膜周囲神経内に陽性反応が認められ、クモ膜下出血後これらのNO合成酵素は脳血管攣縮の発生時期に一致して著明に減少した。また、ATP、SPなどNOを介する脳血管の内皮依存性弛緩およびNOを介する神経原性弛緩ともにクモ膜下出血後障害されていた。以上よりクモ膜した出血後の攣縮血管においては、NOを介する弛緩機構が障害されていることが確認された。今後NO合成酵素のうちどのタイプの酵素がどのような変化をうけているかを分子生物学的手法を用いて検討する予定である。
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[Publications] 野崎 和彦: "脳血管攣縮の病態" 脳神経外科速報. 3. 647-652 (1993)
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[Publications] 野崎 和彦: "脳血管壁NO合成酵素(NOS)含有神経線維" スパズムシンポ講演集,脳血管攣縮. 9. 16-23 (1993)
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[Publications] 野崎 和彦: "脳循環調節におけるNOの役割" 血管. 17. 39-44 (1994)