1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454401
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
榊 寿右 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20118029)
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Keywords | cerebral vein / sinus thrombosis / venous infarction |
Research Abstract |
脳静脈血行障害に伴う脳循環および脳代謝障害を調べるため、2.5〜4kgの成猫を用いて全身麻酔、人工呼吸下に上矢状静脈洞を前後2カ所で露出し、それよりシアノアクリレートを注入し、静脈洞およびそれに連続する皮質静脈を閉塞した。その後、15分、30分、60分、2時間後にC^<14>-ヨードアンチピリン静注によるオートラジオグラムにて脳血流を、また15分、30分後にC^<14>-ジオキシグルコース注入によるオートラジオグラムにて脳の糖代謝を調べた。さらに病理学的所見と対比検討した。そしてシアノアクリレートによる閉塞程度により静脈洞のみの閉塞群、皮質静脈1本、および2本閉塞の群に分けて検討した。その結果、静脈洞のみの閉塞では2時間後にも脳血流の低下なく、代謝も障害されず病理学的にも異常は生じなかった。しかし、一度皮質静脈内にシアノアクリレートが流れ込むと重大な循環、代謝障害が生じ、2本以上となれば出血を伴う静脈梗塞が生じた。以上から、静脈洞血栓症を初めとする脳静脈血行障害では、脳皮質静脈に血栓が生じると重大な結果を招くので、これの予防が治療の上で大切であることがわかった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Sakaki: "Importance of prevention from intravenous thrombosis and preser ation of the venous collatoral flow in bridging vein injury during surgery.An experimental study." Surg Neurol. (1995)
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[Publications] T.Sakaki: "Importance of prevention from in travenous thrombosis and preservation of the venous collateral flow in bridging vein injury during surgery.A clinical study" Surg Neurol. (1995)
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[Publications] 宮本 和典: "脳静脈還流障害の脳エネルギー代謝に与える影響について-Lactate 分析の観点より-" 静脈学. 5. 203-209 (1994)
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[Publications] 竹嶋 俊一: "脳静脈閉塞時の局所脳血流量に関する実験的研究-閉塞後15分と60分における虚血範囲・程度の検討-" 静脈学. 5. 77-88 (1994)
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[Publications] 榊 寿右: "S字状静脈洞閉塞に対する血行再建の有用性" 脳卒中の外科. 22. 395-401 (1994)
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[Publications] 森本 哲也: "Interhemispheric approachの脳動脈瘤手術におけるless invasive surgery-橋静脈血流モニターの有用性-" 脳卒中の外科. 22. 349-354 (1994)
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[Publications] 竹嶋 俊一: "脳静脈閉塞時の局所脳血流量に関する実験的研究" 静脈学. 4. 233-240 (1993)