1993 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸筋活動から観た呼吸不全患者に対する機械換気とウィーニングの連続的研究
Project/Area Number |
05454415
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 芳嗣 東京大学, 医学部(病), 講師 (30166748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花岡 一雄 東京大学, 医学部(病), 教授 (80010403)
鈴木 聡 東京大学, 医学部(病), 医員
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Keywords | 機械換気 / 呼吸筋 / 患者仕事量 / SIMV / PSV / CPAP / 抵抗 / コンプライアンス |
Research Abstract |
近年呼吸不全患者の呼吸管理において、機械換気の主流は患者の自発呼吸を温存したSIMVやPSVである。しかし、病的肺において呼吸筋活動を残した場合、呼吸筋に過大な負荷がかかり呼吸筋疲労を引き起こす危険性がある。また、人工呼吸からウィーニングする過程においても、呼吸筋活動レベルを的確に制御して不用意な負荷をかけないことが、ウィーニングを円滑に成功させる上で重要である。本研究では、人工呼吸中の患者の呼吸筋活動に焦点をあてて、従来の研究のような限られた離散的な時点の測定ではなく、呼吸不全に対する標準的な呼吸管理の全経過を通して、患者の呼吸筋発生圧と呼吸筋仕事量を連続的に測定した。 調節換気からCPAPまで換気補助を必要とする患者の呼吸管理の全経過を通して、患者の呼吸筋発生圧と呼吸筋仕事量を連続的に測定した。この測定を臨床的に可能にするため、呼吸モニタOMR8101をベースとし、我々が考案した人工呼吸下の呼吸筋圧解析法に基づいて、呼吸筋発生圧と呼吸筋仕事量を連続的に自動測定するソフトを組み込んだ。また、分時換気量、換気数、呼吸器のする仕事量、V02、VC02、肺・胸郭系の抵抗とコンプライアンス、死腔量を連続測定した。結果として、(1)調節呼吸時、抵抗・コンプライアンスの最小二乗法による決定は病的肺では限界がある。(2)換気サポートレベルを下げていくと、SIMVの方がPSVより呼吸筋仕事量の増加が早期におこる。(3)患者の病態によって、呼吸仕事量が大幅に増加していても人工呼吸から完全に離脱できる場合があるなどの新しい知見を得た。このデータを詳細に解析すると、人工呼吸下の呼吸筋仕事量の臨床的意義が明確になり、呼吸管理の経時的ストラテジーをより合理的にできると考える。
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[Publications] 山田芳嗣: "新しい換気メカニズムのPETによる解析" BME. 7. 35-44 (1993)
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[Publications] 山田芳嗣: "人工呼吸中の呼吸筋仕事量" 呼吸. 12. 31-37 (1993)
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[Publications] 山田芳嗣: "呼吸管理における肺メカニクスモニタリング" 呼吸. 13. 136-141 (1994)
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[Publications] 鈴木聡: "SIMV/IMV/MMV" 救急医学. 17(S). 1209-1214 (1993)
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[Publications] 繁田正毅: "呼吸筋仕事量Wmus測定法の評価について" 人工呼吸. 11(In Press). (1994)
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[Publications] Y.YAMADA: "Pulmonary capillary pressure measured with a PA double port catheter in surgical patients" Anesthesia and Analgesia. 77. 1130-1134 (1993)
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[Publications] 山田芳嗣: "Annual Review呼吸器94" 中外医学社, 204(15-22) (1994)