1993 Fiscal Year Annual Research Report
各段階における炭酸ガス分圧下での鎮痛機構の検討-脊髄後角単一細胞活動に対する影響による検索-
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05454416
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
花岡 一雄 東京大学, 医学部(病), 教授 (80010403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 秀夫 東京大学, 医学部(病), 名誉教授
角田 俊信 東京大学, 医学部(病), 助手 (80187806)
田上 恵 東京大学, 医学部(分), 助教授 (90107657)
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Keywords | 脊髄後角単一細胞 / Wide dynamic range neuron / 過換気 / 自発発射 / 誘発発射 / ペアン鉗子ピンチ法 / Paco_2 / 細胞外微小電極誘導法 |
Research Abstract |
脊髄鎮痛機構における過換気の効果を検索するために、脊髄横断ネコにおいて正常換気条件から段階的な過換気条件(Paco_2が30〜35,25〜30,20〜25mmHg)にして、wide dynamic range(WDR)細胞の活動の変化を指標とした細胞外微小電極誘導法を用いて、自発発射数およびペアン鉗子ピンチ法による誘発発射数の変化を検討した。 その結果、脊髄後角細胞の自発発射及びピンチ法による誘発発射数は、ともに動脈血中の炭酸ガス分圧の低下に相関して減少した。特にPaco_2 20〜25mmHgとPaco_2 25〜30mmHg群の両者が対照群に対して有意の低下を示した。また平均値ではなく、12個の細胞から得られた発射数-Paco_2のプロットすべてを用いた相関係数は、自発発射数で0.356(P<0.01),誘発発射数で0.296(P<0.05)であり、両者ともにWDR細胞活動とPaco_2との間に有意の相関関係があることが示された。過換気から正常換気に戻すことにより発射数の回復がみられた。これらの結果から、過換気はWDR細胞の反応に抑制効果を及ぼしているものと考えられた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 井手康雄・花岡一雄・田上恵・長瀬真幸・山村秀夫: "脊髄鎮痛機構における過換気の効果とその作用機序に関する研究" 麻酔. 42. 1776-1782 (1993)
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[Publications] 阿部幸枝・平石禎子・芦沢直文・釘呂豊城・花岡一雄: "ミダゾラムの聰性脳幹反応に及ぼす影響" Pharmacoares thesiology. 6. 45-46 (1993)
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[Publications] 宮崎東洋・並木昭義・花岡一雄・鈴木太・兵藤正義・檀健二郎・山村秀夫: "片頭痛に対するSN-308(スマトリプタン)錠の臨床評価" 臨床成人病. 23. 145-153 (1993)
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[Publications] Noriko Ichiish and Kazuo Hanaoka: "Continuous Epidural Infusion of opioid and Bupivacaine for Port operatire Pain Relief" Pain Pesearch. 8. 137-142 (1993)
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[Publications] 花岡一雄,並木昭義,古賀義久,土肥修司,弓削孟文,西山友貴: "麻酔導入時におけるミダゾラムおよびバルビッレートの併用による臨床的有用性" 日本臨床麻酔学会誌. 13. 147-151 (1993)
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[Publications] 角田俊信・田上恵・井手康雄・長瀬真幸・岡山裕詩・花岡一雄: "ミダゾラムとフェンタニルの脊髄後角WDR細胞活動中に及ぼす影響" Pain Research. 8. 154 (1993)
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[Publications] 花岡一雄: "術後痛" 克誠堂, 207 (1993)
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[Publications] 花岡一雄: "ベニゾジアゼピン受容体拮抗薬フルマゼニル、今日の医薬情報" 薬事新報社, 243 (1993)