1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454419
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
伊藤 祐輔 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (70018307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百瀬 弥寿徳 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (50020813)
武田 龍司 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (80020791)
増田 明 富山医科薬科大学, 医学部, 講師 (30126552)
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Keywords | 麻酔薬 / 心臓 / 心拍数減少 / パッチクランプ / イオンチャネル |
Research Abstract |
イヌ26頭を用い、ペントバルビタール麻酔下に心臓を摘出し、ランゲンドルフ法を応用して冠動脈よりコラゲナーゼを潅流させた後、洞房結節より単一細胞を分離した。Caを含むタイロード液中で自動拍動を有する細胞を洞房結節ペースメーカー細胞と同定した。 イヌ洞房結節ペースメーカー細胞の自動能に関与するIfチャネル電流は吸入麻酔薬ハロセン(1〜4%)およびペントバルビタール(10^<-6>〜10^<-5>M)により減少した。しかし、他の吸入麻酔薬セボフルレン(1〜4%)はIfチャネル電流に対して明らかな影響を及ぼさなかった。一方、T-タイプのCa電流はハロセン、セボフルレンおよびペントバルビタールのいずれの麻酔薬によっても抑制された。また、L-タイプのCa電流がこの3種の麻酔薬により減少作用を示すことから、ハロセンおよびペントバルビタールのIf電流抑制作用は、L-タイプのCa電流の減少により細胞内のCa濃度が減少し、その結果If電流が間接的に抑制される可能性も考えられ、この点については平成6年度に細胞内Ca濃度を測定し結論したいと考える。本年度はイヌ洞房結節ペースメーカー細胞のリズム形成に関与するT-タイプのCa電流とIf電流の分離測定に成功し、ハロセン、ペントバルビタールおよびセボフルレンによる心拍数減少作用はT-タイプのCa電流がこの3種の麻酔薬によって抑制される機序により発現される知見を得た。一方、If電流に対する影響についてはセボフルレンの作用が認められないことなど不明な点が多く、さらに検討が必要である。
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