1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454427
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Research Institution | Tokyo Women's Medical College |
Principal Investigator |
池田 みさ子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80119883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前 知子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80228204)
鈴木 英弘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50075264)
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Keywords | 脳内微量透析法 / 麻酔薬 / 神経伝達物質 / 海馬 / グルタミン酸 / アスパラギン酸 |
Research Abstract |
本研究は、ラット海馬を用い脳内神経伝達物質の一つであるアミノ酸の遊離動態におよぼす、全身麻酔薬の影響を検討する事を目的としている。今までの私共の麻酔薬の作用機序究明の研究においては、電気生理学的に麻酔薬の海馬シナプス伝達に及ぼす研究をしてきた。また、脳内微量透析法を用い脳内神経伝達物質の一つであるノルエピネフリン放出に関する研究も急性動物モデルで行ってきた。今年度は、アミノ酸(GABA、グルタミン酸およびアスパラギン酸)の基礎遊離量の測定及び高カリウム性脱分極刺激時の遊離量の変化の測定を計画した。検体中のアミノ酸分析は高速液体クロマトグラフ(HPLC)にて行い、その測定には高感度電気化学検出法(Double ECD)を用いて測定する予定であったが、測定に対し安定した値が得られず、測定法を蛍光分光検出法に変更することとした。しかし、蛍光分光検出法によってもGABAの測定は不可能であった。急性実験モデルにて採取した検体では、高カリウム刺激によりグルタミン酸とアスパラギン酸の遊離減少がみられた。慢性実験モデルでも同様の結果を示した。全身麻酔薬のケタミンは少量(10mg/kg)では、アミノ酸の遊離量に変化を与えず、大量投与(100mg/kg)では遊離量を減少した。今後、ケタミンの投与量による違い(麻酔深度の変化)を比較すると共に、バルビツレートやエトレンなどの他の麻酔薬による変化も同時に観察する。これらの結果から脳内神経伝達物質の動態に与える麻酔薬の影響を知ることにより、麻酔薬の作用機序究明の一助となると考える。
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