1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454443
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
寺尾 俊彦 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60022852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 彰 浜松医科大学, 医学部, 助手 (90207762)
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 助手 (70204550)
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Keywords | Vaso spasm / HELLP症候群 / 妊娠中毒症 |
Research Abstract |
妊娠中毒症,子癇,その特殊型であるHELLP症候群(hemolysis elevated liver enzyme,low platelet count)の病態に,血管内皮障害による血管攣縮が深く関わっていると考えられている.血管内皮障害がなぜ起こるかは不明であるが,血管内皮障害が起きている状態では血管内皮細胞よりエンドセリンが産生,放出されることが知られている.エンドセリンは強力な血管収縮物質であり,妊娠中毒症患者やHELLP症候群患者の血漿中では高値をとるとの報告が多い.この血管内皮細胞より放出されたエンドセリンは,血管平滑筋細胞に存在するエンドセリンレセプターを介して血管平滑筋細胞を収縮させ,血管攣縮を引き起こす. 我々はMR angiography,腹腔動脈造影などの画像を用い,妊娠中毒症,子癇,その特殊型であるHELLP症候群において血管攣縮像を証明してきた.その結果,子癇では中大脳動脈,HELLP症候群では肝動脈,妊娠中毒症では腎動脈を中心として血管攣縮を認め,その症状と一致した部位に攣縮が起こると考えられた.いずれの症例も血漿中のエンドセリンが高値であり,血管攣縮にはエンドセリンが密接に関与していると思われた.
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[Publications] Abdul Halim: "Coagulation in vivo microcirculation and in vitro caused by endothelin-1" Thrombosis Research. 72. 203-209 (1993)
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[Publications] 前原佳代子: "妊振中毒症における血管内皮障害と血小板の変化" 産婦人科の世界. 46. 9-17 (1994)