1993 Fiscal Year Annual Research Report
女性生殖器の生理および腫瘍化過程におけるストレス蛋白の役割に関する総合的研究
Project/Area Number |
05454447
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小西 郁生 京都大学, 医学部, 講師 (90192062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐川 典正 京都大学, 医学部, 講師 (00162321)
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Keywords | ストレス蛋白(HSP) / HSP70 / HSP90 / 女性生殖器 |
Research Abstract |
女性生殖器におけるストレス蛋白(HSP70,HSP90)の局在、およびこれらと性ステロイド受容体(ER,PR)の局在との相関が明らかになった。子宮内膜において、HSP90は上皮・間質いずれの細胞にも発現し、増殖期に強く分泌期には減弱したが、これはほぼER.PRの発現レベルと相関している。またHSP70は、内膜間質細胞において、性周期にかかわらず、基底層の細胞に陽性、機能層の細胞に陰性で、性ステロイド効果発現と逆相関しており、HSP70の発現はステロイドの効果発現に抑制的に作用している可能性が示唆された。また、機能層の上皮細胞では増殖期陰性であるが、分泌期に強陽性となり、このHSP70過剰発現はER,PRのdown-regulationと一致していた。すなわち、HSP70発現は性ステロイド受容体の発現調節に関連している可能性が示唆される。 子宮内膜癌および卵巣癌におけるHSP90,HSP70発現では、HSP90はほとんどの例で陽性であり、一方、HSP70過剰発現はp53発現と正の相関があり、また性ステロイド受容体発現と逆相関が認められた。細胞の癌化による性ステロイド依存性の喪失にp53/HSP70過剰発現が関与している可能性も示唆される。
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Research Products
(1 results)