1993 Fiscal Year Annual Research Report
卵胞成熟および排卵現象における局所調節因子の解明とその臨床応用
Project/Area Number |
05454454
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡村 均 熊本大学, 医学部, 教授 (20026983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信幸 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (80227157)
松浦 講平 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (10157240)
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Keywords | 卵胞成熟 / 排卵 / 成長因子 / M-CSF / macrophage / hMG反応不良症例 |
Research Abstract |
1.pregnant mare's serum gonadotropin(PMSG)およびhuman chorionic gonadotropin(hCG)で過排卵処置をした未熟雌ラットに、M-CSF(Macrophage-colony Stimulating Factor,腹腔内)、抗M-CSF抗体(ラット卵巣嚢内)を投与した。排卵数は、M-CSF投与により用量依存的に増加し、その至適投与時間はPMSG投与の48から1時間前であった。また、抗M-CSF抗体により排卵数は有意に減少し、その至適投与時間はPMSG投与の24時間後からhCG投与の3時間後であった。 2.M-CSF投与ラットの卵巣凍結切片について抗ラット・マクロファージ(Mphi)抗体を用いて免疫染色を行った。卵胞径で3つに分類した各卵胞(preantral,antral,mature follicle)は、PMSG投与後24時間でそれぞれ増加し、卵胞腔内Mphiも有意に増加した。 体外受精を行った婦人の血清および卵胞液中のM-CSF濃度をEnzyme-linked lmmunosorbent Assay(ELISA)法を用いて測定した。卵胞発育が良好な症例において、血清M-CSF濃度は卵胞期から排卵時にかけて増加して排卵時前に最高値を示し、その後減少する傾向を認めた。また、排卵時の血清と卵胞液中のM-CSF濃度は後者において有意に高値であった。 4.Informed consentの得られたhuman menopausal gonadotropin(hMG)反応不良排卵障害病例5例に、M-CSFを併用したhMG-hCG療法を施行した。その内growth hormone(GH)分泌正常であった1例に卵胞発育を認めた。
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