1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454462
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
森 望 香川医科大学, 医学部, 助教授 (90124883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 浩 香川医科大学, 医学部, 助手 (90209180)
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Keywords | 内リンパ嚢 / 直流電位 / 上皮細胞 / 高分子物質輸送 |
Research Abstract |
(電気生理学的研究) われわれの以前の研究から内リンパ嚢直流電位は他の内耳の直流電位とは異なり、炭酸脱水酵素阻害剤であるアセタゾラマイドや、ホルモンのカテコールアミンにより変化することがわかった。これらの薬物がどのようなイオン輸送を変化させるかを知るため、薬物による内リンパ嚢のイオンの変化をイオン電極を用いて調べた。 アセタゾラマイド、カテコールアミン投与により内リンパ嚢直流電位の低下に伴い、ナトリウムイオンの上昇を認めたが、カリウムイオンは変化しなかった。このことからナトリウムイオン輸送がこれらの薬物による内リンパ嚢直流電位の変化に関与していることが考えられる。 (形態学的研究) われわれは今までに内リンパ嚢上皮細胞の高分子物質輸送について調べてきた。高分子物質輸送を時間的な面から検討するため、内リンパ嚢直流電位をモニターしながら電極から直接、トレーサーを注入する方法を開発し、経時的に内リンパ嚢上皮細胞の高分子物質輸送を観察した。内リンパ嚢中間部上皮細胞には高分子物質の取り込みの盛んな細胞と全く、取り込みをしない細胞が存在し、近位部上皮細胞は高分子物質の取り込みは全くせず、遠位部上皮細胞は中間部上皮細胞にくらべて、高分子物質の取り込みは少しおくれるが、取り込みは同様に盛んであることがわかった。以上より、内リンパ嚢における高分子物質輸送には中間部上皮細胞、遠位部上皮細胞が大きな役割を演じていると考えられる。
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Research Products
(1 results)