1993 Fiscal Year Annual Research Report
パッチクランプ法に虹彩筋細胞の二重相反神経支配に関する研究
Project/Area Number |
05454473
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
大野 新治 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (60050390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 洋一 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (50253604)
原 茂人 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (50244017)
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Keywords | 虹彩筋パッチクランプ / 虹彩筋の培養 / 瞳孔散大筋の培養 / 瞳孔括約筋の培養 / 虹彩筋の膜電位 |
Research Abstract |
虹彩筋:瞳孔括約筋及び瞳孔散大筋の単離培養を行い、これらの筋細胞膜にあるイオンチャンネルの活動を、パッチクランプにより膜電位を測定した。 方法は、家兎の眼球を摘出後、角膜を切除し虹彩の部のみを無菌操作的に剪刀及び鑷子にて取り出した。これをコラゲナーゼにて37℃で消化時間を90分から300分と調節しながら消化後、実体顕微鏡下のもと鑷子にて虹彩色素上皮層を剥離除去した。瞳孔領近くの虹彩(瞳孔括約筋が存在する部)と虹彩の中央から周辺部(瞳孔散大筋)を鑷子及び剪刀にて取り出し、剪刀にて細切後、コラゲナーゼ内にいれ、攪拌しながら更に37℃で消化時間を60分から210分間消化した。これらをメタルメッシュにて濾過し、さらに遠沈して得られた細胞をMEMにて2回洗滌した後、プラスチック培養皿に15万個/mlを播種し培養した。培養液はMEMおよびHam-F12を用い、胎仔牛血清を5%から20%の濃度で添加したものを用いた。虹彩色素上皮層を剥離するのに、最低120分のコラゲナーゼ消化が必要であった。現段階では、細切りした虹彩実質から虹彩筋細胞を得るのに90分間の消化が最も多くの細胞が得られているが、今後更に、これらの消化時間を調節あるいは消化酵素の種類を選び、細胞単離のための種々の方法を検討することを計画している。培養液は、Ham-F12に15%胎仔牛血清を用いたものが、増殖は良好であった。しかし、得られた細胞を位相差顕微鏡で観察すると、紡鐘型のfibroblasticな細胞が認められ、虹彩筋細胞の完全単離細胞の培養は、本年度の段階ではまだ完成されていない。平成6年度中には完全単離法を確立し、培養細胞が、虹彩筋であることを再度同定することを予定している。すでにこれらのうち虹彩括約筋細胞膜にあるイオンチャンネルの活動はパッチクランプにより膜電位を測定し、K^+の存在は確認しているが、今後更に他のイオンチャンネル及びその薬理学的特性について瞳孔散大筋もふくめて検討することにしている。
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