1993 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原細菌における染色体DNAの制限酵素地図および遺伝子地図の作成
Project/Area Number |
05454493
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
梅本 俊夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (20067036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 信城 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20247315)
吉本 尚 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60084787)
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Keywords | 歯周病原細菌 / Porphyromonas gingivalis / 染色体DNA / 制限酵素地図 / 遺伝子地図 |
Research Abstract |
近年、歯周病の病原菌と考えられている細菌について内外のいくつかの研究機関においてその病原因子に関わる遺伝子の同定やクローニングによる病原因子の解明が進められている。しかし、各研究機関で任意の制限酵素を用いて遺伝子断片が切り出されている為、各遺伝子の位置関係が全く不明である。 本研究では各研究機関同定されている病原遺伝子の染色体上の位置関係を明らかにする目的で、歯周病原細菌の遺伝学的研究の基礎になる染色体DNAの制限酵素地図を作製を試みた。 今年度の研究では歯周病原細菌として最有力と考えられているPorphyromonas gingivalisの制限酵素地図を作製する為、P.gingivalis ATCC33277,381,SU63,KD1,W50そしてW83株の染色体DNAょ8塩基認識の制限酵素NotIで切断し、各菌株のDNA断片をパルスフィールドゲル電気泳動を行なった。巨大DNA断片を泳動することができるパルスフィールドゲル電気泳動装置によりP.gingivalis株の8塩基認識の制限酵素NotIにより切断された大きなDNA断片の泳動が可能になり、P.gingivalis染色体のNotI切断部位の数、全染色体の大きさが判明した。すなわち、本菌種の染色体DNAには、7箇所のNotI切断部位が存在することおよび、全染色体の大きさは2,000〜3,000kbであることが明らかになった。さらに、菌株間においてNotIによる切断断片の大きさが異なり制限酵素切断部位に違いのあることも明らかになった。 しかし、当初の研究計画においては、NotIリンキングプローブを作製してパルスフィールド電気泳動により分離したDNA断片に対してサザンハイブリダイゼーションを行ない染色体地図を完成する予定であったが、平成5年度にはP.gingivalis ATCC 33277株の染色体地図を完成できなかった。制限酵素NotIの切断部位を含むリンキングプローブが各々すべての染色体上で隣り合うNotI断片と相同するプローブを作製しなければ完成できない為、再度リンキングプローブの作製を行なう予定である。
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