1993 Fiscal Year Annual Research Report
硬組織形成細胞の遺伝子発現調節に関する分子生物学的研究
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05454498
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
下川 仁弥太 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (80014257)
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Keywords | アメロゲニン / エナメリン / phosphophoryn / エナメル芽細胞 / エナメル質形成 / 象牙芽細胞 |
Research Abstract |
完成したエナメル質歯生体内で最も高度に石灰化した組織で、有機質は殆ど含まれていないが、形成初期のエナメル質には約30%ものタンパク質(アメロゲニンを主成分とする)が含まれており、これが石灰化の進行にともなってエナメル質から消失していく。このエナメル質は分化したエナメル芽細胞によりエナメル質形成過程の一時期にだけ合成され、細胞外に分泌され、その石灰化に重要な役割を演じていると考えられている。エナメル芽細胞や象牙芽細胞の分化は歯胚の発生過程で未分化な上皮と間葉系細胞の相互作用により誘導されていると考えられているが、その分子レベルでのメカニズムについては明かではない。本研究ではエナメル芽細胞、象牙芽細胞、骨芽細胞の分化の機構を明らかにする目的で、アメロゲニン、エナメリン、phosphophoryn、オステオネクチン、オステオカルシン、オステオポンチン、コラゲナーゼなどのcDNAや抗体を作製し、それらをプローブとしてこれら硬組織形成細胞細胞の分化誘導機構の解明を行うことを目的としている。当該年度までに以下の成果が得られている。 1)PCR法を用いてヒト・アメロゲニンプロモーター領域を増幅し、クローニングした。 2)アメロゲニン遺伝子はXおよびY染色体上にあるが、Y染色体上の遺伝子が活性のある遺伝子で、mRNAおよびアメロゲニン・タンパク質を合成していることを、PT-PCR法を用いて証明した。(1994 IADR にて発表) 3)マウス・アメロゲニンの染色体DNAをクローニングした。 4)エナメリンを精製し、そのN末端側20個のアミノ酸配列を決め、そのアミノ酸配列に相当するペプチドを化学合成し、さらにそれに対するポリクローナル抗体を得た。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Nakajima,H.Shimokawa,H.Onoue,S.Sobue,Y.Kitamura,S.Nomura: "Ideutification of a Cell Type Origru of Odontoma-like Masses in Microphthalwie (mi/mi)Miceusing In Situ Hybridization" J.Dent.Res.(印刷中).
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[Publications] Takeshi,Okamura,H.Shimokawa,Y.Takagi,H.Ono,S.Sasaki: "Detection of Collogenase mRNA in Odontoclasts of Bovine Root-resolving Tissue by In Situ Hybridization" Calcif.Tissue Int.52. 325-330 (1993)
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[Publications] 二藤彰.大井田新一郎.田村正人.山口聡.武田弘資.岩城博.下川仁弥太.佐々木哲.天笠光雄: "骨形成に関与する細胞成長因子についての基礎的研究 第一報 骨形成タンパク質cDNAのPCR法によるクローニング" 日本口腔外科学会雑誌. 39. 103-109 (1993)
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[Publications] 下川 仁弥太: "Bone Science講座" 広川書店 (印刷中),