1994 Fiscal Year Annual Research Report
リズミカルな顎運動とヒト脊髄脊髄単シナプス反射との相関に関する生理学的解析
Project/Area Number |
05454528
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Research Institution | TOKYO MEDICAL AND DENTAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大山 喬史 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (50064366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 嘉男 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (09557143)
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Keywords | ヒラメ筋 / H反射 / 前腕屈筋群 / 顎運動 / 聴覚フィードバック / 咬合力 / 促通量 / 咀嚼リズム |
Research Abstract |
昨年度の検索によって、健康成人のヒラメ筋H反射がリズミカルな顎運動中促通を受け、この促通は顎運動のリズムとは無関係に持続的であることが明らかにされた。しかし、1)上肢筋のH反射がリズミカルな顎運動時如何なる変調を示すか、2)顎運動のリズムを変化させるとH反射は如何なる変調を示すか、3)顎運動中の咬合力を変化させるとH反射は如何なる変調を示すか、に関しては明らかではなかった。そこで今年度は、これらの点の解析を試みた。 上肢筋のH反射の誘発には、前腕屈筋群を被検筋として、肘窩の電気刺激を用いた。しかしながら、前腕の固定方法の個人差が大きいこと、被検筋の走向が下腿筋ほど明らかでないこと、ならびに正中神経の刺激部位の固定が非常に難しいこと等のため、下顎安静位での安定したH反射を誘発することができなかった。 顎運動のリズムを変化させるために、聴覚フィードバックを用いた。聴覚フィードバックのみで顎運動のリズムをコントロールすることは被検者にある程度のトレーニングを要した。視覚フィードバックを加えることにより、より容易に顎運動のコントロールが可能だったと考えられる。顎運動の周期は0.5〜2Hzとした。周期を変化させたことによるH反射の促通量に有意差は認められなかった。 顎運動中の咬合力を変化させるために硬さの異なるガムを用いた。顎運動中の咬合力を変化させることは非常に困難であった。そのため、顎運動中の咬合力を変化させた際のH反射の促通量に関してはさらなる検索が必要と考えられる。
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