1993 Fiscal Year Annual Research Report
歯冠用新規セラミックス・レジン複合体の咬耗に関する臨床的研究
Project/Area Number |
05454531
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
熱田 充 長崎大学, 歯学部, 教授 (60002135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 圭一 長崎大学, 歯学部, 講師 (70230729)
松村 英雄 長崎大学, 歯学部, 講師 (40199857)
田中 卓男 長崎大学, 歯学部, 助教授 (40113584)
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Keywords | セラミックス・レジン複合体 / 咬耗試験機 / 前装用レジン / メタルプライマー / 常温時効硬化性金合金 |
Research Abstract |
歯冠修復の際にも、口の中を明るく保ちたいという審美的な要求の高まりに伴い、咬合面を歯冠色のポーセレンやコンポジットレジンで修復するケースが増加している。しかしながら、現在用いられているポーセレンは硬すぎて対合歯を損ない、コンポジットレジンは耐摩耗性の不足に加えて、多量に含まれている無機質フィラーによる対合歯の摩耗が指摘されている。3年間の予定で始めた本研究の目的は、こうしたポーセレンとコンポジットレジンの欠点を相互に補完し合い、対合歯を損なうことなく咬合力を歯列上に分散でき、かつ審美的な咬合面を持つ歯冠補綴物を考案しようとするものである。 初年度の平成5年度は、咬合面を含む歯冠の骨格として用いるセラミックス・レジン複合体の組成決定とその咬耗度をin vitroで調べるための新型咬耗試験機の製作を行った。また、アルミナを含む高強度セラミックスに各種天然パルプを20〜10wt%混入したセラミックスを所定の大きさに調整し、800℃で30分間大気中で焼成しガラス化させ、天然パルプの焼却によって生じた小孔の中に、シランカップリング剤による処理後に、低粘度硬質レジンモノマーを減圧下で注入し重合し、板状の試験片を作製し、JIS規格に基づき硬さ、圧縮強さ、曲げ強さ、衝撃強さ等を測定し、歯冠補綴物として最適な組成、条件を決定した。また、アラバマ大のラインフェルダー教授らと共同研究してきた松村の考案による新型の咬耗試験機を国産で製作した。これは充填物の経時的な口腔内摩耗を再現できる装置を、歯冠補綴物の咬耗を測定するように改良しており、本研究の目的に合致する性能を得ている。平成6年度には、この装置を使って、最適の組成を持つセラミックス・レジン複合体で作製したクラウンの咬耗状態を、キャスタブルセラミックス、硬質レジン、金合金製クラウン等と比較検討する予定である。
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[Publications] H.Matsumura,K.F.Leinfelder: "Localized three‐body wear of six types of composite resin veneering materials" J Prosthet Dent. 70. 207-213 (1993)
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[Publications] K.Yoshida,H.Matsu〓ura,M.Atsuta: "Effect of adhesive metal primers on bonding a prosthetic composite resin to metals" J Prosthet Dent. 69. 357-362 (1993)