1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454539
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
久保田 康耶 東京医科歯科大学, 歯学部・歯科麻酔学教室, 教授 (90013804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深山 治久 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (20189921)
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Keywords | 静脈内鎮静法 / ミダゾラム / モニタリング / Deep Sedation |
Research Abstract |
ミダゾラムによる静脈内鎮静法を安全に使用するための方法を検索した。本研究は、研究1、研究2および研究3の3つの部分より成り立っている。 研究1では、61名の歯科患者に0.075mg/kgを投与量の目安にミダゾラムを投与した結果、注入速度が0.015mg/kg/min以上の速い症例では、注入速度が0.015mg/kg/min未満の遅い症例より動脈血酸素飽和度(SpO2)は低い値であった。さらに、SpO2が95%未満を示した症例は、すべて0.015mg/kg/minより速い速度で注入されていた。 研究2では、研究1の結果をもとに有志健康成人7名を対象にミダゾラムの投与量を0.075mg/kgと均一にし、注入速度を0.010mg/kg/min、0.015mg/kg/minおよび0.020mg/kg/minの3通りで静脈内に注入して検索した。0.020mg/kg/minの測定値は0.010mg/kg/minおよび0.015mg/kg/minの測定値と較べてSpO2は低い値であり、終末呼気炭酸ガス濃度(ETCO2)は高い値となった。さらにSpO2とETCO2はともに0.010mg/kg/minの測定値と0.015mg/kg/minの測定値との間には有意な差はみられなかった。したがって、臨床的には0.010mg/kg/minでは投与終了までに約7分を必要とするのに反して、0.015mg/kg/minでは投与が約5分で終了することから0.015mg/kg/minのほうが実用的であると考えた。 研究3では研究2の結果をもとに、ミダゾラムの投与量を0.075mg/kg、注入速度を0.015mg/kg/minとして臨床症例に適用して、呼吸器系および循環器系のモニタリングを行って検討した。これら全ての測定値は正常範囲内にあり、良好な鎮静が得られたので、この投与方法の安全性と有用性が確認された。
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