1994 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節内障病態における変性関節円板ならびに円板後部結合組織の免疫組織化学的研究
Project/Area Number |
05454540
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飯塚 忠彦 京都大学, 医学部, 教授 (80026921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森家 祥行 京都大学, 医学部, 助手 (70221637)
宮木 克明 京都大学, 医学部, 助手 (50211595)
藤田 茂之 京都大学, 医学部, 講師 (50228996)
瀬上 夏樹 京都大学, 医学部, 講師 (40148721)
村上 賢一郎 京都大学, 医学部, 助教授 (00174269)
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Keywords | 顎関節内障 / ケラタン硫酸 / ヒアルロン酸 / コンドロイチン硫酸 / テネイシン / CD44 |
Research Abstract |
平成5年度では、ヒト屍体から採取した顎関節を用いた肉眼解剖的手法さらには免疫組織化学的検索を行った。その結果、位置異常の著しいヒト顎関節円板前方内側部にはケラタン硫酸、コンドロイチン-6-硫酸の高濃度の局在を認め、しかもその程度は位置異常の程度とほぼ相関すること、さらには重度の位置異常症例では強靱な弾性線維が関節円板前方部から外側翼突筋下頭に走行していることを証明し得たが、新たに弾性線維の形成過程につての検索が問題となり現在その追及を急いでいる。平成6年度では主に顎関節手術症例を対象に研究を進展させ、特に位置異常の著しい円形前方内側部にはケラタン硫酸、コンドロイチン-6-硫酸の高濃度の局在を認め昨年度の屍体から得た結果と一致した。また、ヒアルロン酸の関節組織内の分布を検索するため抗ヒアルロン酸結合蛋白抗体を用いた免疫組織化学的研究を施行したが固定法に問題があるのか良好な結果が得られなかった、ところがヒアルロン酸のレセプターと言われているCD44を用いた同様な研究を施行し滑膜の一部に限局した陽性反応を認めた。更にムコ多糖体の一つであるテネイシンの分布を手術症例について同様の方法を用いて検討したところ一部の滑膜や順応しようとしている円板の一部にのみ強い陽性反応を確認し臨床治療の予後判定に有力な手段となると考えられた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] N.Segami,et al: "Development of simplified diagnostic arthroscopy of the temporomandibular joint." Dentistry in Japan. 30. 87-91 (1993)
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[Publications] K.Miyaki,et al: "Histolocical and immunohistochemical studies of the articular cartilage after experimental discectomy of the temporomandibular joint in rabbits." Journal of Oral Rehabilitation. 21. 299-310 (1994)
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[Publications] 瀬上 夏樹 他: "顎関節内障に対する関節鏡視下前外側関節包切離術" 関節鏡. 18. 105-110 (1993)
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[Publications] 村上 賢一郎: "不正咬合と顎関節症、口腔外科の立場から顎関節症を考える" 日本MEAW研究会雑誌. 1. 151-163 (1994)
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[Publications] 村上 賢一郎: "中頭蓋底の骨吸収を伴った顎関節滑膜性軟骨腫症の1例" 日本口腔外科学会雑誌. 40. 179-181 (1994)
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[Publications] K.Murakami: "Toward an International Concensus on Temporomandibular Joint Surgery." Int.J.Oral Maxillofac.Surg.22. 78-81 (1993)
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[Publications] 村上 賢一郎 他: "顎関節の診査および診断" 医歯薬出版, 354 (1994)
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[Publications] 飯塚 忠彦 他: "口腔外科学" 金芳堂, 380 (1994)