1993 Fiscal Year Annual Research Report
唇顎、口蓋裂患者における顎顔面形態の予後予測に関する研究
Project/Area Number |
05454546
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山城 正宏 琉球大学, 医学部, 教授 (90045237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
儀間 裕 琉球大学, 医学部, 助手 (80177972)
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Keywords | 唇顎口蓋裂 / 口蓋形成術 / 顎顔面形態 |
Research Abstract |
口蓋形成術後の歯槽弓形態の変化を術前の歯槽弓や破裂の形態から予測することを目的として、当科で初回口蓋形成術を行った片側性唇顎口蓋裂患者27名に対し、術直前ならびに術後2年目の上顎石膏模型を採取して三次元的計測を行い、術後の歯槽弓形態の変化について検討した。 計測項目は、各部位の歯槽弓長径、幅径、術前における破裂幅等とし、各計測相について破裂側と非破裂側に分けて術前と術後を比較検討し、さらに、その変化量と術前の各計測値との相関を検索した。 その結果、歯槽弓全体の長径は、術前と術後に有意な差は認められなかった。乳犬歯部、第一乳臼歯部では破裂側、非破裂側とも術後が有意に大きく、長径の増大がみられ、その増加量は非破裂側が大きかった。歯槽弓幅径は、上顎結節部において有意な増大が認められたが、乳犬歯部、第一乳臼歯部では有意に減少し、非破裂側に比べて破裂側において大きな減少が認められた。また、破裂幅と術後の歯槽弓幅径の減少量の相関では、破裂幅と破裂側乳犬歯部の歯槽弓幅径の減少量と有意な正の相関があり、歯列弓幅径に対する破裂幅の比(CPI:Cleft Palate Index)と幅径の減少量においても同様の結果であった。さらに目蓋粘膜幅の実長と破裂幅の比をRCPI(Real Cleft Palate Index)とし、これと幅径の減少量の相関を検索するとCPIと同様の結果であり、相関係数もほぼ同等であった。また、歯列弓長径と破裂幅の比(破裂幅・長径比)を求めると、術前の破裂幅、長径比は破裂側乳犬歯部、第一乳臼歯部の歯槽弓幅径の減少量と有意な正の相関がみられ、相関係数は前二者より大きかった。 今回の研究結果より、術前のCPI、PCPI、破裂幅・長径比は術後の歯槽弓形態を予測するうえで有用な指標となりうることが示唆された。
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