1993 Fiscal Year Annual Research Report
「咬み合わせの電気的測定装置」を用いた咬合起因性顎関節障害発生機序に関する研究
Project/Area Number |
05454557
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 昭彦 九州大学, 歯学部, 教授 (00037524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉利 和彦 九州大学, 歯学部, 助手 (60037538)
一ノ瀬 元史 九州大学, 歯学部, 助手 (30150460)
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Keywords | 咬合面圧分布 / 咬合面積 / 咬合力 / 顎関節障害 |
Research Abstract |
本研究は、われわれが開発した咬み合わせと咬合力(咬合面圧分布)の電気的同時記録装置「オクルーザルマルチスキャナー」を改良して咬合接触時の経時的変化を検査し、顎関節機能障害の発生機序を探る目的で計画した。しかし、センサー部およびそれに内蔵する高圧対応の特殊感圧導電ゴム(PCR)を供給していた日本合成ゴム株式会社が、この領域の部門を経営上の理由から撤退した。したがって新たに本研究目的にあったPCRとセンサー、および分析装置を再度構成せざるを得なくなった。 本来、他の分野で用いられているPCRは感知する圧が低圧(数gから50g/mm^2まで)であるが、咬合センサーではその10倍近くの感圧範囲が必要となる。しかも、高圧感知のPCRの用途は少なく、またそれを製造できるメーカーも限られている。関連会社を種々調査したところ、幸いイナバゴム株式会社(本社・大阪)の協力が得られることとなり、現在、当社に依頼してPCRとセンサー電極の開発、および当社がすでに市販している圧分布計測装置イナストマーPXの歯科用途への改造を行うこととした。以上の理由から臨床研究の遅れが余儀なくされているが、新システムの構成が完成すれば、以前のスキャナーと比較して検出電極の配置数は数倍に増加するとともに、データの三次元表示も可能となり、機能の向上が見込まれている。すでに測定装置自体は完成し納入されており、ソフトに関して若干の手直しを行っている段階で、本年度中には測定が可能となる予定である。本システムを臨床応用した成果については次年度に報告する。
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