1993 Fiscal Year Annual Research Report
上顎前方牽引に伴う顎顔面部の形態学的変化と鼻呼吸機能の関連についての基礎的研究
Project/Area Number |
05454558
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
石井 英司 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (80001965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 泰裕 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (70244845)
渋谷 祐史 北海道医療大学, 歯学部, 助手
武内 真利 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (00143595)
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Research Abstract |
本研究の目的は上顎前方牽引について【.encircled1.】索引方向の違いによって、鼻上顎複合体の形態的、組織学的変化にどのような違いがあるか、 【.encircled2.】鼻咽喉部軟組織は、牽引期間中および終了後骨格性変化に対応してどのように順応するのか 【.encircled3.】鼻気道抵抗は牽引期間中および、牽引終了後の期間中、形態的変化と関連してどのように変化するのかの3点を明らかにすることである。【.encircled1.】については、まず通常の牽引方向での顎顔面部の形態変化を観察した。セフア ロ所見より、上顎歯列弓に咬合平面のcounterclockwise rotationを伴う近心移動が見られた。骨格性には上顎の近心移動とともにpalatal planeがcounter clockwise rotationを起こしており、とくにpalatal planeの後縁部で下降が認められた。下顎については、前歯部の舌側傾斜を除いて大きな変化は見られなかった。【.encircled2.】については、palatal planeの後縁部の下降に対応して軟口蓋が上部でわずかに肥厚する所見が組織学的に見られたが、はっきりしなかった。また、横口蓋縫合の開大が著明に見られ、上顎結節部の骨添加とともに、上顎の近心移動に伴う補償変化が活発に起こっていることがうかがえた。【.encircled3.】について、サルで鼻気道抵抗を計測する際に安定した計測値を得るためにはanterior法においても種々の条件を決めておくことが必要であることが判った。今回の計測値から、やや鼻気道抵抗が減少する傾向がみられた。今後はさらに、牽引方向の違いによる顎顔面形態の変化に伴って生じる鼻呼吸機能の変化、および、上顎前方牽引終了後の鼻気道抵抗計測値の安定化について検討を進めていきたい。
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